「千鶴、」
僕の隣で気持ち良さそうに眠る千鶴。いつも思うんだ。あと何回こうやって千鶴の寝顔を見ることが出来るんだろう、って。
あの頃、新選組で戦ってた時はこんな穏やかな時間が来るなんて思わなかった。いや、穏やかな時間なんていらなかった。戦って死ねたらそれでいいかなって。だって、自分は沢山の命を奪って生きてきたんだから。
でも千鶴と出会って、こうやって過ごすうちに“時間”と言うものが怖くなった。ずっと千鶴が隣に居て、千鶴と散歩して、千鶴と一緒にお昼寝して。そんな毎日が続いたらいいな、なんて思うんだ。僕がこんな思いを望むことは許されないのかもね。
「ねぇ、千鶴」
僕が先に逝っちゃっても笑っててね。あっ、でも千鶴は泣き虫だからなあ。知ってるんだよ。僕が見えない所で泣いている事。
「……ごめんね」
千鶴を置いて逝っちゃうこんな身体の僕で。千鶴を手放す事が出来ない僕で、ごめんね。
「…愛してるよ、千鶴」
願うなら来世でも君と一緒に―――。
いとしい人へ
◎前サイトから。イメージソングは「proof of life」。