あー、眠い。何で英語なんていうものがあるんだろう。別に日本から出るつもりないんだから、英語なんていらないんじゃないかって思う。多分一生行くことはない。将来誰かと結婚して新婚旅行に行くってなっても、国内にしてもらう。もうどんな結婚式にしてもいいから、これだけは絶対譲れない。


「赤也、赤也、」

「何だよ?」

「先生に呼ばれてるよ」

「マジかよ…」

「今日は何したの?」

「今日は、って俺がいつもなんかしてるみたいじゃねぇかよ」

「実際そうでしょ。ほら、早く行きなよ」


なまえの言う通り、毎回何かしら怒られるけどさ。俺、今日は何したっけ?覚えがないんだけど。今日は別に寝てないし、珍しく予習プリントも出したぞ。まあ、予習プリントは何故か仁王先輩がやってくれたんだけどな。


「切原、…お前はそんなに俺のことが嫌いだったんだな」

「えっ、…ダイスキッスヨ」

「何で片言なんだよ。はぁ…それより、これは何だ?」

「は?」


先生が俺の目の前に出したのは、今日提出の予習プリント。書かれている答えは俺の字より少し筆圧が薄くて綺麗な字。これに何が問題あるって言うんだ?もしかして、自分でやってないってばれたとかか?


「先生、別に問題なんてないじゃないッスか」

「切原、ここの回答を見てもそんなことが言えるのか?」

「何がッスか?」


先生が指差す先を見る。そこには“先生が侵略してきた”って書かれていた。何だこれ?どんな問題だったんだよ。ってか、この話って確か火星人が何かの話じゃなかったか?


「これ、どういう意味か説明してくれるか?」

「えっ、は?」

「あははは」


後ろでなまえが笑う声。あとで絶対締める。それより、俺ってもしかしなくても仁王先輩に嵌められた…?思い返してみたら、あの仁王先輩が代わりに宿題やってくれるとか有り得ない。


「うわー…、もうマジで有り得ないし」

「そうだな、有り得ないよな。それをお前はやったんだよ」

「それ、俺が書いたんじゃないッス!」

「ほぉ、ふーん」


あっ、やっべぇ。俺が書いてない=違う人にやってもらったってことじゃねぇか!わあああ、俺の馬鹿!


「赤也、馬鹿だー」

「切原は馬鹿だからしょうがないんだよ。そんな馬鹿な君には課題をあげよう」

「マジッスか!?ちょ、なんだよこの量!」

「あっ、それ明日に提出な。俺は優しいから、放課後までにしてやるよ」

「えぇぇっ」


授業が終わった後、もう一度もらったプリントを見てみるが、どう見ても明日までに終わりそうにない絶望的な量だ。マジなんだよこれ。終わるわけないじゃん。でも出さなかったら追加って言ってたし…。よし、ここは頼むしかない!


「なまえ、手伝ってくれ!」

「えー、やだー」

「マジでお願いします、なまえさま!今度言ってたケーキ奢るからさ」

「パフェもね」

「はぁ?!そんな沢山無理に…」

「じゃあ手伝ってやらない」

「あああ、パフェも奢りますから!お願いします!」

「もう、しょうがないなあ」

「やりぃっ!ありがとな、なまえ!」

「はいはい」







 






◎英語嫌いを代弁してくれる子です。本当にあった話をちょっと捏造。




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