グリーンと手を繋いだままジムの中に入れば、男の人がこっちに向かって駆け寄って来た。


「グリーンさん、来るのが遅いですよ!って、グリーンさん…、その子彼女ですか?!」


グリーンが何か答える前に勝手に納得して、あのグリーンさんにも彼女が…!って騒いでいる男の人。どうしよう。誤解を解いた方がいいよね。でも、グリーンはその人を無視して奥に進んで行く。


「あの人、誤解したままだよ?いいの?」

「何だよ、俺の彼女は不満か?」

「………」

「あーはいはい、冗談だからそんな顔するなって」


不満とかじゃなくて、ただ私なんかにグリーンはもったいないって思うんだ。グリーン程カッコイイ人なら、可愛い彼女とか綺麗な彼女の方がお似合いだよ。でも、その光景を思い浮かべたら、何か少し寂しいな…。友達を他の人に取られた時の寂しさに似てる気がする。あれ?グリーンって、私にとって友達になるのかな。友達、以上な気がするけれど…、じゃあそれなら何なんだって聞かれても分からない。


「スズ?」

「えっ、あ、ごめん。何?」

「今から全員集めてお前のことを話すつもりだけど、ここの奴らには全部話してもいいか?」

「いい、よ」

「皆いい奴ばっかだから」

「…うん、大丈夫。それに、何かあっても私にはグリーンがいるんでしょ?」

「お、おう」


グリーンの顔が少し赤い気がするけれど、風邪かな?昨日の夜も遅くまで何かしていたみたいだし、無理してなければいいけど…。


「ヨシノリ、ここに全員集めてくれ」

「分かりました」


通りかかったヨシノリさん?に集める指示を出せば、直ぐにジムトレーナーの人達が集まった。予想通り、物凄く視線が突き刺さってくる。そこに悪意はなくて、好奇心とかそんな視線。ただ、人の視線をこんなに受けたことがないから正直怖い。思わず繋いだままの右手に少し力が入る。


「…大丈夫」




私は一人じゃない

そう思えるのは、グリーンが隣にいてくれるから。



◎タイトル考えるのが辛くってきました。



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テーマ「人外ファンタジー」
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