「そこかーっ!」
突然大声でそう言ったかと思うと、手裏剣を草むらへ投げるナルト。何やってんだか。頭の上に乗っているセツも呆れた、と言うように溜め息をつく。
「…バカだろ、あいつ」
「いや、昔から分かってはいたんだけれどね…」
皆に怒られても動じないナルト。と言うか話を聞いてないな、あれは。めげずにまた手裏剣を投げるから、今度はサクラに殴られている。あーあ。
「ほ…ほんとに誰かがこっちをずっと狙ってたんだってばよ」
「はい、ウソ!」
サクラに怒られているナルトは放っておいて、カカシさんのあとを追って草むらへ確かめに行く。そこには手裏剣が刺さってピクピクと痙攣しているユキウサギがいた。…嫌な予感しかしない。大体こういう予感は当たるもんだ。
「全員伏せろ!」
カカシさんの声と同時にセツが私の背中を押した。その上空を空気を切り裂く鋭い音と、次に木に刺さる音が聞こえてきた。
「へー、こりゃこりゃ霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
突き刺さった大きな刀の上に立っている見覚えのある忍。確かそんな名前だったね。あと、白、だっけ?そんな子もいたよね。うん、何か少しずつ思い出してきたぞ。チラッと隣を見れば、ナルトが再不斬に向かって駆け出そうとしていたから手を引っ張って止める。出て行ったってカカシさんの邪魔になるだけだからね。
「下がってろ、お前ら。こいつはさっきの奴らとはケタが違う」
「写輪眼のカカシと見受ける…。悪いが、じじいを渡してもらおうか」