しばらくは様子見と言うことで隠れる。皆も隠れたみたいだね、って思ったのも束の間。
「いざ尋常に勝ー負!」
「あのさァ…お前、ちっとズレとるのォ…」
「ズレてんのは、その髪型のセンスだろー!」
あはは…、ナルトらしいね。でも、ナルト一人じゃカカシさん相手には無理だよ。まず、下忍が上忍に敵うわけがない。ましてや私達はアカデミーを卒業したばかりの新米だ。案の定、殴りかかるナルトを本を読みながら受け流すカカシさん。途中、影分身を上手く使ってカカシさんの後ろを取ることが出来たけれど、カカシさんの罠に引っ掛かって最後はロープで宙吊りになっていた。
「ナルト、大丈夫?」
「あっ、ユキ!助けてくれってばよ!」
「はいはい」
カカシさんが向こうに行ったのを見計らって、ナルトを助けに行く。クナイで縄を切ってやれば、ナルトが大きな音をたてて落ちた。…忍なんだから、受け身ぐらい取ろうよ。
「…大丈夫?」
「だ、大丈夫だってばよ!ありがとな!」
「どういたしまして。それより、ナルト。私と一緒にスズを取らない?」
「んー…ユキの頼みでも、それは無理だってばよ!オレってば、絶対一人で取ってやるんだ!」
「そっか。それならしょうがないね。頑張ってね」
「おう!」
手を振りながら、どこかへと走って行ったナルト。しょうがない。あとの二人にも声をかけてみるかな。…でも無理そうだよね。特にサスケ。足手まといだって言われて断れる確率大だ。まあ、駄目元でも行ってみるしかないよね。とにかく二人を探さなきゃな。って思って歩き出した時、サクラの凄い叫び声が聞こえた。
「サクラに何かあったのかな?」
「多分な。…あっちからサクラの匂いがするぞ」
「うん、行ってみよう」
セツを肩に乗せて走り出す。少し先に行けば、サクラが泡を吹いて地面に倒れていた。目立った外傷とかもないから、多分幻術にかかったのかな。何を見たらこんなになるんだろう…。こんな状態じゃ、スズを取りに行くのは無理だね。サクラも駄目ってことは、あとはサスケだけか。
「サクラはしょうがない、か…。サスケがどこかわかる?」
「あっちだ」
セツに言われたら方向に走って行くと、戦闘の音が聞こえて来た。木に登って様子を見れば、サスケとカカシさんが闘っているところだった。カカシさんに本を読む隙を与えないなんて、流石。でも、サスケも結局カカシさんの土遁心中斬首の術で体を埋められる。…なんか生首みたいで嫌だな。サスケを助けるためにカカシさんが去るのを待つ。
「カカシさん、行った、よね?…よし、サスケを助けよう」
「どうして助けに行くの?」
突然後ろから声がして振り向けば、私の後ろには去ったはずのカカシさんが立っていた。