09
「ねぇ、ニノ」
「は、はい…、なに?潤くん」
「よかったら、舞踏会でのダンスさ…俺と一緒に踊ってくれない?」
「はいっ!?」
ニノデレラは、王子様からのとつぜんのさそいに
目から星がとび出そうなくらい、おどろきました。
「ダンスを!?私と!?」
「うん。なんか、踊りたい相手が全然見つからなくて…」
「そ、そうなの…?」
「もうダンスは見学してようかなと思ってたんだけど、君が現れたから」
「潤くん…」
「君となら、踊りたいって思ったんだ。ダメかな」
「そ、そんな…私でよかったら」
ニノデレラはダンスになんてもともときょうみがなかったので
曲がかかりはじめたら、オードブルで出されているりょうりを
かたっぱしから食いちらかしてやろう、と思っていたのですが
王子様からさそわれ、夢のようなきぶんになってしまいました。
「あ…でも、君を誘ったら、助手席で寝てるパートナーに悪いかな?」
「えっ!?あ、いや…コイツですか?大丈夫です、全く関係無いんで」
ニノデレラはNOTEのドアをバタンとしめると
王子様といっしょにぶとうかいへむかうのでした。
「じゃあ、俺は一旦、控え室にもどるね」
「はいっ」
「ダンスが始まったら、君を迎えに行くから」
「はい…」
「必ずフロアに居て。約束だよ?」
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