08

 
「ねぇ、お城着いたよ、モグちゃんっ!」
「ぐー…、ぐーっ」
「モグちゃんってば、…くそっ!ね、リーダー、リーダーっ」
「ぐーーー…」
「起きてくださいよ、大野さんっ!!!」


おしろのちゅうしゃじょうにて。
ニノデレラがほんきでモグラをおこしにかかっていると
いいかおりのただよう、だんせいがちかよってきました。


「なにやってるの?」
「へっ!?…あ、えっと」


むらさき色の、きらびやかないしょうにみをつつんだかれが
あまりにもうつくしかったので
ニノデレラはいっしゅん、ことばをうしなってしまいました。


「酔っぱらってねちゃった感じ?」
「…ま、まあ、そんなとこっすかね、はい」
「ふふっ、これからパーティーだっていうのにね」
「そうっすよねぇ!」


ニノデレラは、
いいかおりのするイケメンを、よこめでチラチラとぬすみ見ました。

なんて、はなのあるかおをしているのでしょう。
そして、なんという、けだかいオーラでしょう。

ニノデレラは、
かれが、このおしろの王子様にちがいないとちょっかんしました。

そして、おそらく
王様からのめいれいでパーティーをしゅさいしてみたものの
ざいさんねらいの、げひんな女ばかりあつまってくるもので
いやけがさして、このちゅうしゃじょうで一人すすんでいた。

そして、そこで、うんめいてきに私とであった。

きっとそうだ、そうにちがいない…と
じぶんの中でストーリーをふくらませてみるのでした。


「かわいいね、そのドレス」
「えっ…?」
「めずらしいじゃん、黄色なんて」
「そ、そうですか?」
「なんか、今日来てるヤツ、みんなどういうわけか水色ばっかり着ててさ」
「へぇー…」
「いいじゃん、すげぇ目立つし。似合ってる」


王子様にほめられると、ニノデレラはガチでてれてしまい
うつむいたまま、しどろもどろになってしまったのでした。


「あ、あの…あなたのお名前をおききしてもよろしいですか?」
「俺?俺は、潤だよ」
「じゅんくん…」
「きみは?」
「わたしは、ニノデレラと言います。ニノって呼んでください」



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