05

 
「ニノは、知らない人に話しかけられるのがイヤなんでしょ?」
「え?まあ…はい、そうですね」
「だったらさ、パートナーを連れてけばいいじゃんっ」
「パートナー?」
「いざとなったら、パートナーの影にかくれちゃえばいいんだよ」
「いや…だから、なんで、そうまでして行かなきゃいけないのよ」
「いいから、いいからっ!」


ニノデレラは、
まほうつかいのおしがつよいので
だいぶうんざりし始めていました。


「そんでなに、パートナーってのはどっから連れてくるわけ?」
「それもさ、俺のこの魔法のステッキでー…」
「ステッキで???」
「えーっと、その辺にちっちゃい動物か虫かなんかいないかな」


まほうつかいがキョロキョロしはじめると
ニノデレラは、あからさまにあせりました。


「おいおいおい、ちょっと待ちなさいよ!」
「はいっ?」
「まさか、その辺の虫を人間にしようってんじゃないだろうね!」
「なんかマズイ?」


ニノデレラは、
いくら、人間のすがたをしているとは言え
虫といっしょにぶとうかいへ行くのだけは
かんべんしてほしいと、せつに思いました。


「虫じゃダメ?」
「それはないでしょうよ、さすがに…」
「そお?ちゃんと、魔法でイケメンにするよ?」
「イヤ、でもさあ…」


ニノデレラは、見た目だけイケメンなパートナーが
となりで手足をモゾモゾうごかすさまを思いえがき
ブルルッとみぶるいしました。


「あっ、あそこになんかちょうどよさそうなのがいる!」
「おい、やめろよマジで!いらないって、そんなパートナー」
「大丈夫、大丈夫、虫じゃないからっ」


みどりのポンチョをかぶったまほうつかいは
テコテコと、こばしりで庭のすみのほうへいき
またまた嵐マークのステッキをふりかざしました。

そして…

地面からたまたま出てきたモグラに、まほうをかけるのでした。


「ニノデレラの、イケメンなパートナーになーあれ!」


ビビデ、バビデ、ブーーーーー!!!


キラキラキラキラキラ…



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