04

 
「おっけーおっけー、ニノレ…っ、ニノデレラちゃん!くふふ、噛んじゃった」
「おたくなんなんだよ、さっきから。テンション高ぇな…」
「はいっ?」
「今、ようやくうるさいやつら追い出して、一人になれたとこなんすよ」
「ほうほう」
「悪いけど、帰ってくれません?」
「なるほど。お城の舞踏会に行きたいけど、着ていく服がないと!」


ニノデレラは、
やたらテンションの高いまほうつかいにたいして
ろこつに、うっとうしそうな顔をしてみせました。


「ねぇねぇ、ちょっとそこ立って」
「はい?」
「いいから、いいから、立って立って」
「いや、いいよもう…帰ってくれって言ってるじゃん」
「そんなこと言わずにさ、魔法でドレスに着替えようよ!ねっ」


ニノデレラは、人ごみが大きらい。

その上しゃこうてきでもなかったので
おしろでひらかれるパーティーなんて
本気でどうでもいいと思っていましたが
まほうつかいのごういんさにさからえず
イヤイヤ、家のそとへ出てきたのでした。


「なんなんすか、もう」
「ね、マジでびっくりするよ、俺の魔法!いい?見てて見てて!」
「やだなぁ。いい予感が一つもしないよ」


「いくよっ?…コホン。ビビデー…、バビデー…」


ブーーーーーーっ!!!


まほうつかいが、嵐マークのついたステッキをふりかざすと
ニノデレラは、かわらしいドレスすがたにへんしんしました!


「ねっ!ほら、すごいでしょ!?うっひゃひゃっ、マジでうまくいった!」
「……あー、はい。すごいっすね」
「カワイイと思わない?黄色のドレス!頭にティアラまでついてんだよ?」
「それじゃ、どうもありがとうございました」


ニノデレラがペコリと頭をさげ、家にもどろうとするのを
まほうつかいはまた、ものすごい力でひきとめるのでした。


「ちょーっと、もう!せっかく変身させてあげたのに!」
「私はマジで、パーティーだの舞踏会だのってやつに興味がないんです!」
「なんで?行けば絶対楽しいのになー」
「イヤですよ、知らない人に話しかけられたりすんの…。メンドクサイ…」
「そお?いいじゃん、アドレスとかいっぱい交換すれば」
「そんなにパーティーが好きなら、あなたが行ってきたらいいじゃないの」
「え?いや、行っていいんなら、むしろ行きたいけどさぁー」


ニノデレラがあまりにもおしろへいきたがらないので
まほうつかいは、こまってしまいました。
これではお話がすすみません。


「あ、そうだ!いいこと考えた!」



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