たゆたう詩声 | ナノ



ハチ月26日



急に鳴り出した携帯電話は
あたしのお顔をやわらげる
返事を返すの早すぎたかな
少しぐらいはじらした方が
あなたの心をくすぐるのかな
一回ぽっきりのメールの繋がり
仕事中なの分かっているから
口元をとがらすコトもない

完璧な人間はいないって
神様みたいな人はいないって
あなたに言われなくても
わかっているよ わかってる
それでも あなたは
あたしにとって
イヤなこと一つない
完璧なヒトなんです

大好きすぎて見えてない
イヤな部分があるならば
それは一つあるとするなら
こんなにスキにさせた
コトが悪いところでしょ


知らない町にお出掛けするの
あたしひとりの小さい旅よ
長い道のり太陽もアツくて
看板頼りに頭を上げるけど
あんまり縮まらないこの距離
じらしたつもりはないけれど
二回目の電話で嬉しげに出た
あたしは目を細め聴き入った

今どこにいるんだ?って
とりあえず一回切るって
あなたが言わなくても
わかっているよ わかってる
そうして あなたは
あたしのことを
お仕事しながらも
心配してたんでしょ

大好きすぎて見えている
ちょっぴりわざとらしく
不安させたりするのって
こんなにスキにさせた
あなたが悪いのでしょう



2010.08.26



[ 610/896 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -