たゆたう詩声 | ナノ



スキなのに



別に無口なわけじゃないけど
大人しいふりしてるんじゃない
アナタの前ではどうしても
本音がこぼせない歯がゆさに
お気に入りの服をつかんで
胸の痛みにこらえるしかできず
背を向けたときにだけ泣いてみる

一瞬息を止めて何もなかったように
アタシはメールを削除したのよ
気持ち分からないでしょ
きっと分からないでしょ
締めつけた胸は見せられないんだよ


何もないように見えても
アナタのコトでいっぱいの頭
引き留めたりしないけど
引き留めてほしいの
スキなのに
出来ないアタシを放らないで


ガマンするのは良くないって
口に出されて頷いたって
アナタの前ではどうしても
嫌われるんじゃないかって
思いこんだら切りがないから
ガマンするのは自分のためって
言い聞かせて言い聞かせる

一瞬目を瞑って何もなかったように
アタシはツラい記憶をほうきではく
気持ち分からないでしょ
きっと分からないでしょ
ボロボロに泣いた顔は見せないから


何もないように接しても
アナタのコトでいっぱいな心
アナタと幸せになりたい
アナタの幸せでありたい
スキなのに
出来ないアタシを嫌ったりしないで


ドタバタの中で掴んだ
温かい手を離してしまった
スキでスキでたまらない
スキなのに…
スキだから…
離したアタシを忘れたりしないで



2008.01.31



[ 628/896 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -