アクマイザー

新婚リサーチ


まれに三巨頭もタナトスの離宮を訪れる。こちらは純粋に仕事でだ。
タナトスは冥界軍の立場としては彼らの上位にあたるが、三巨頭は双子神の部下のつもりはなく、冥闘士をゴミのように扱われてきた過去から、あまり良い感情は持っていない。
しかし、結婚してから多少丸くなったタナトスを見て、一体どういう新婚生活を送っているのか、興味津々ではあった。何せ相手は人間かつ聖闘士かつ男である。いろんな意味で突っ込みどころしかない。

離宮でサガに茶を出されたミーノスは、さっそく嫌がらせを兼ねたリサーチを開始した。

「意外なことですねえ。かつては嫌々ハーデス様の走狗をしていたと思っていたのですが、まさかその貴方がタナトス様の軍門に下るとは」
「軍門に下った覚えは無い」

さすがにそこはきっぱりと否定したサガだ。彼は聖闘士であることを放棄したつもりはなかった。

「では本当に個人的な好意で結婚をしたのですか?それほどあの方はうまいんですか」

ほとんどセクハラである。
受け答えるサガの方は赤くなりつつも、先日カノンの薫陶を思い出していた。
『新婚者に下ネタ会話を振ってくる奴がいるのは当たり前と思え。幸せを分けてやるくらいの気持ちで下ネタも明るく流せ。ただでさえ冥界は娯楽が少ないからな。楽しい話題で冥界と聖域の結びつきを示すのも外交ポイントになる』
という、カノンなりのアドバイスだ。
確かに恥ずかしいが、そういうものなのかもしれない。猥談などしたことのないサガは照れを押し隠しながらも馬鹿正直に答えた。

「美味いかと聞かれるとよく判らないが、まずくは無いと思う…」
「誰も味覚の話はしていませんよ技巧の話ですよ」

二人の隣で1番の被害者ラダマンティスが、非常にいたたまれない様子で聞こえないフリをし続けているのだった。

(2011/4/2)


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