アクマイザー

JUNK2008


◆統合

「んっ…」
サガの艶やかな黒髪が、目の前で灰銀へと変化していく。
かつて聖と闇に分かれていたサガの人格は、それぞれ互いへの許容を覚え、ときおり人格の統合を果たす。
諍うばかりであったニ人格が、自身による己の肯定という内面の平安を得たとき、その顔には至福の色が浮かび、統合の瞬間には恍惚とみえるほどの表情を見せる。

となりでその様子を眺めていたカノンは何となく赤面した。
合一しているのが精神だというだけで、それは性愛に似ていた。
統合を終え、弟の視線に気づいたサガが振り返る。
「どうかしたのか」
「いや…別に」
お前無駄にエロいんだよ。とは言えず、カノンは口ごもった。


2008/10/28

[NEXT] / [JUNK]


[BACK]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -