JUNK2008
◆過保護
「異次元と冥界、どちらが良いか選ばせてやろう」
とあるマフィア組織をデスマスクとともに軽く壊滅させた黒サガは、まだ意識のある構成員を床に足蹴にしながら笑った。デスマスクは飽きたのか、少し前から窓際に腰掛けて煙草を吸っている。
二人とも息すら切らしていない。黒サガが相手の返事を待たずにアナザーディメンションを放とうとした直前、シュラが大慌てで割り込んできた。
「サガ!!一般人相手に何やってんですか!教皇にバレたら厳罰ものですよ!」
目をぱちりとさせている黒サガに代わり、窓辺からデスマスクが答える。
「証拠は残さねえって」
「駄目だ!デスマスク、お前が付いていながら何故止めんのだ!」
「だってこいつら、サガを襲おうとしたんだぜー。歳はイってるが顔が良いから薬漬けにして売り飛ばすかって」
シュラの表情が一瞬で変わった。
「…この連中を塵になるまで切り刻んで良いか」
今度はシュラを慌てて止める事になったデスマスクとサガだった。
2008/6/25
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