アクマイザー

JUNK2008


-----------------------
◆割れ鍋に割れ蓋・中編
-----------------------

アイオロスとサガは早速聞き込みに周りました。
聖闘士ですが、調査方法は通常の人間と同じで地道です。その結果、被害者はみな女の子で声を奪われたという共通点がみつかりました。サガのオーラは大分黒くなっています。
「か弱い少女を襲うとは…しかも私以外の人間へこんなに手を出して…」
信じると言ったそばから弟に怒りを向けている兄でした。
「サガ、後半はちょっと怒りの方向が違うと思うよ」
アイオロスはサガがカノンに対する半分くらい自分にも妬いてくれればいいのにと思いつつ、調査結果に首を捻ります。
「カノンに声を奪う能力なんてないよね?」
「ああ、しかし神器があればどうだろうか」
以前、カノンから取り上げた海神の矛は、スニオン岬に封印してあります。とりあえず二人は海界経由で、矛がどうなっているのか調べに行く事にしました。

海界は聖域とやりあったせいで、神殿などはボロボロのままですが、その戦に関わっていないアイオロスとサガは他人事です。
誰かいないかと探していると、隅っこのほうに三人ほど海闘士をみつけました。

「フカ美味いよ」
「フカ美味くないよ。生臭いよ」
「フカヒレは美味いよ。背びれ切って乾燥させてもどすんだよ」
「イオ様、バイアン様、魚類を惨殺する話は止めて欲しいんですけど」
そんな会話をしている三人にアイオロスは話しかけました。
「ねえ、ポセイドンの矛ってどうなってるかな」
目の前に聖域の次期教皇が突然現れても、海闘士はマイペースです。
「ポセイドンのフカ?」
「ホコだよ。一文字もあってないよイオ」
「そう言われてみるとスニオン岬に気配を感じませんね」
「今は無いみたいだね」
海界の神器の行方が判らなくなっているというのに、海闘士はのんきだな…と感想を述べるサガへ、アイオロスは内心『君は逆にデンジャラスすぎるけど』とこっそり突っ込んでおりました。
とにかく矛の封印が解かれたことを知った二人は、地上へ戻り正攻法で被害を食い止めようとします。しかし、そんな二人を嘲笑うかのように、また被害者が出てしまいました。

2008/1/28

[NEXT] / [JUNK]


[BACK]
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -