アクマイザー

JUNK2008


◆ねずみ年

「東洋では干支といって年月を動物で表したりするんだ」
新年の挨拶がてら双児宮を訪れた星矢は、年賀状に描かれた白いネズミの意味を聞かれてそう説明した。
「今年は子年だからネズミ」
「そういえばデスマスクが、十二支は十二辰に関わり、ひいては十二宮に繋がると説明していた事があったような…」
サガが感心したように年賀状を受け取る。
ギリシアには日本のような、宗教に関わらぬ新年の挨拶状交換はない。それでも異国の絵葉書は気に入ったようで、新年の祝いと共に礼を言った。
星矢はニコニコと無邪気に返事をしてくる。
「ネズミ年だから、ネズミ式の挨拶が欲しいな」
「なんだそれは?」
「ちゅう」
「………」
あまりのベタさに遠い目になりつつも、サガは星矢の額へ口付けを落とした。

その話を後で聞いたアイオロスも、当然の事ながらサガに要求した。
「俺ともネズミ式の挨拶をしてくれるよね?」
「お前まで子供のようなことを」
「いや、俺は大人向けの挨拶で頼むから」
「は?」
「マウスTOマウス」
「…マウスの発音が違うぞ」
サガが呆れながらもアイオロスの唇へ軽く口付けたのは、新年ならではの行幸といえよう。


2008/1/2

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