アクマイザー

JUNK2006-2007


◆路上

「クク、外で四つ這いになる気分はどうだサガ」
「う、うるさいデスマスク」
「人が通ったらどう思うだろうな?」
「言うなっ…!」
「どうよ、もう少しで奥まで届くだろ」
「アッ…あと少し…!」

人通りが少ないとはいえ公道だ。
デスマスクの言うとおり、こんな姿を見られたらと思うと、サガの動悸は早くなる。
しかし、サガの焦りとは裏腹に、最奥への指先は届きそうで届かない。じれったさに唇をかみ締める。

そんなデスマスクとサガを少し離れた場所から眺めていたアイオロスが、遠い目をしながら語りかけた。

「なあ、念動力で取ったらどうかな。その自動販売機の下に落としたコイン」
「街中で超能力をみだりに使うものではない!人が見たらどうするのだ」
「いや、そんな格好で手を突っ込んでる方が目立つと思うよ…もう諦めたら?」
「アイオロス、日本には1円を笑うものは1円に泣くっつーことわざがあるんだぜ」
「てゆーかデスマスク。君とサガが会話すると何か卑猥なんだけど」
「そうか?」「どこがだ?」

二人から同時に返される。
サガは判っていない顔だが、デスマスクはニヤニヤしているのでわざとだ。
アイオロスはサガが見ていないところで、こっそりデスマスクをどついておいた。


2007/6/20

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