JUNK2006-2007
◆距離…(ロスSIDE)
蘇生されてから少ししてサガと二人だけで会った。
14歳のままで生き返った俺と違い、サガは随分と大人になっていた。
あの頃のように話そうとして、上手くいかない。
俺がサガを大人になったと感じるように、サガの方はきっと俺の事を子供のままだと感じたんじゃないだろうか。
サガは優しい。
最初は罪の意識からかと思ったが、そうじゃない。
俺が年下だからだ。
サガはかつて神のようなと称された輝かんばかりの笑顔ではなく、思慮と遠慮が混ざったような憂いに満ちた微笑を浮かべて俺を見た。
相変わらず綺麗だった。
「アイオロス、今度こそお前が正しく聖域を導いてくれ」
俺へ頭を下げ、本心から礼を尽くすサガを見る。サガはこんなに器用でもなかった。
女神への叛意を捨て、二重人格の片割れを制御したサガは、13年前よりも近くなったはずなのにどこか遠く、俺は泣きそうになって、高い空を見上げた。
2007/5/13
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