アクマイザー

JUNK2006-2007


◆ローテク

双児宮と巨蟹宮はお隣さんのため、双子はよく巨蟹宮に食事をご馳走になりに行っていました。逆に、デスマスクは双児宮の広い風呂へ身体を休めにきます。

聖戦後にカノンが驚いたのは、デスマスクが平気でサガの入浴中に乱入することでした。しかもそのまま一緒に風呂に浸かってしまいます。どうやら偽教皇時代に培われた慣習のようです。
多少の不満はありつつも、自分も時折サガとともに風呂に入るので、文句を言いにくいカノンでした。

ある日のこと。
サガとデスマスクの二人が、風呂へ行ったまま、なかなか戻ってきません。いくらサガが長風呂だといっても、デスマスクまで出てこないのはおかしいと、カノンは不安になりました。脳内であらぬ心配をしながら浴室へと足を運びます。

脱衣室までくると、風呂場の方から広い浴室に反響して、くぐもった低い声が聞こえてきました。慌てて小宇宙を落とし気配を伏せたカノンの耳に聞こえてきたのは、兄とデスマスクの会話でした。

「チッ、狭いな。奥まで入らねえ」
「デスマスク…あまり乱暴にすると壊れる…」
「ああもう、薬を使うか?」
「…そういったものは、置いていない」
「大体アンタ髪が長すぎるんだよ、邪魔なんだよ」

光速で風呂場の扉を叩き壊したカノンの目に映ったのは、棒を排水溝につっこんで、詰まった髪を除去しているデスマスクとサガの姿でした。

「普通こういうのってマッサージネタとかなんじゃねえ?お前ら黄金聖闘士なんだから、詰まりの除去くらい念動力でやれよ!」

お門違いなカノンの怒りにもデスマスクは平然としています。扉を壊されてサガはむしろ怒り返しています。
「何でも超能力に頼るのは良くないんだぜ?」
「詰まっているのはお前の髪だろうカノン!私は毎回自分の髪の掃除はしている!」

むかついたカノンは、排水溝どころか浴室全部の湯カビを小宇宙で剥がして綺麗にしてやりました。

2007/2/25

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