アクマイザー

JUNK2006-2007


◆悪党

「オレは悪党だが悪人じゃあねえよな」
デスマスクがニヤつきながら言うので、カノンは呆れた顔を見せた。
「自称とは図々しいな。それに、お前なぞ小悪党で充分だ」
「それはお互い様だろ?」
サガが出かけているので、双児宮で鬼のいぬまに酒盛り中の二人だった。
「悪人てのは、お前の兄貴のようなのを言うと思うわけよ」
「まあ、それは否定せん」
「しかも、困ったことにサガは嘘偽りなく善人でもあるわけだ」
デスマスクはグラスを傾け、カノン提供のマッカランを舐めるように飲む。
「そーいうのが1番始末に負えねえよなあ」
適当に話を聞いていたカノンだが、その言葉にますます呆れた顔を見せた。
「デスマスク…お前このあいだ、手がかかって始末に終えないような女が好みだとか言っていなかったか」
「そうだったかな」
「しらばっくれるな。弟の前で遠まわしに兄へのノロケを聞かせるな」
「たまには良いだろ。いつも散々お前の兄から弟へのノロケを聞かされてるお返しだ」
「………」
「内容、聞きたいか?」

カノンは黙ったまま、デスマスクのグラスへなみなみと酒を継ぎ足した。


2007/1/24

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