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翌日の朝、私はベッドから起き上がると伸びを一つして隣で未だに寝ている葉瑠ちゃんの頬をつつく。
そして、少し悩むものの彼女を起こすとそのまま隣の部屋のトモちゃんとハルちゃんの部屋の扉をノックした。
「トモちゃん、ハルちゃん起きてるー?」
コンコンとリズムよく扉を叩けば開いたそれ。
中からは頭を掻きながらトモちゃんがやってきた。
「んーっ、おはよ。やよい」
「うん、おはよ。ハルちゃんは起きてる?」
「ん?ちょっと待っててね」
トモちゃんはそういうなり再び扉の奥に消え、その直後に聞こえてきたのは慌てたハルちゃんの声。
ドタバタとした足音を立ててやって来たハルちゃんが目の前に立った。
「やよいちゃん、おはようございます!!」
すると、そのまま綺麗に腰を曲げ頭を下げてくる彼女。
私も慌てて腰を折って頭を下げた。
「あ、えっと……おはようございます。ハルちゃん」
ヘコヘコと頭を下げる私とハルちゃん。
見かねたトモちゃんが呆れた様子で私たちに声を掛けてきた。
「で、やよいは私らに何の用?」
「えっと、みんなで食堂行かないかなー?とか」
「行きます!」
トモちゃんは元気よく頷いたハルちゃんへと苦笑を浮かべ、こちらに視線を寄越すと肩を竦め溜息を一つ。
「春歌もこういってるし行くわよ。まっ、どっちにしろ行くけど」
「じゃあ用意ができたら連絡で!」
「はい!」
私は彼女らに手を振ると、そのまま彼女ら部屋の扉を閉じて自室へと戻った。
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