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視界の隅でハルちゃんが泥水まみれの赤髪くんにハンカチを渡す中、私と黒子くんは少し話していた。

すると、いつの間にやら話題は学校の話になっていて黒子くんが学園のみんなを見渡して呟いた。

「……あの、やよいさんはどちらの高校へ?」

私は彼と同じように周りを見渡して目が合った神宮寺さんとお互いに笑みを見せ合って口を開く。

「早乙女学園って知ってる?」

「あの芸能専門学園ですか?」

「そう、そこだよ」

すかさず彼の言葉に頷けば、驚いたように口を開けて固まる彼。

後ろの方でも黄瀬が驚いたのか机が揺れた音がした。

「……やっぱり、やよいさんは凄いですね」

見上げれば苦笑を漏らしながら私を優しげに見つめる黒子くんの姿。

私は何だかそれが嬉しくて小さく俯いてみせた。

「……ありがとう。でも、君だって凄いんだからね?」

そして、顔を上げれば再び驚いたような表情の彼。

私はそのまま笑いながら彼の背中を押して黄瀬の方へ行くように諭した。



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