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あれから黄瀬もこちらをチラチラと見てくるものの先輩であろう人が怖いのか声は掛けてこない。
私達もそれを確認してそれぞれ好きな話題を掘り返しては笑う。
すると、再びお店の扉が開いた。
入って来たのは何となく見覚えのある人達。
そして、その後に続いて入ってきた黒子くんと赤髪くん。
「すいませーん」
「黒子テメェ、覚えてろよコラ……」
「すみません、重かったんで……」
その時、丁度赤髪くんが黄瀬とその先輩であろう人を見て叫んだ。
「黄瀬と笠松!?」
「ちッス」
「呼び捨てかオイ!!」
「何でここに……?」
「おたくらの試合観戦にね。決勝リーグ進出おめでとう」
私達、早乙女学園組は何となく全員で顔を見合わせて苦笑を浮かべる。
すると、こちらを向いた水色とその隣にいる黄色。
「……やよいさん、ですか?」
私は座ってまま彼の方を見て微笑むと肯定するように口を開く。
「……久しぶり、黒子くん。決勝リーグ進出おめでとう」
「……ありがとうございます」
彼は弾けんばかりの笑顔で私の言葉に頷いた。
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