▼ 47
暫くして再開した試合は黒子くんが動く事によって点数が入り出した。
「何あのパス!?」
「俺も分かんない!!」
慌てるのは先程まで緑間を見ていた一十木くんと松林くんの二人。
私は二人を宥めて説明を始めた。
「キセキの世代には幻の六人目がいるの知ってるでしょ?その彼が誠凛高校にいてパスをしてるの」
真横の一十木くんとその隣の松林くん、私の隣の葉瑠ちゃん達が目を輝かせた。
「え、幻じゃなかったんだ!!」
「すげー!」
わぁわぁ盛り上がる私の周り。
私は黒子くんとその相方であろう赤髪の男の子を見て目を細めた。
「……そっくり」
見た目は違うけれど纏う雰囲気がなんとなくだけど青峰に似ている気がする。
それより、私には気になることが一つ。
「このままじゃあの男の子が最初に崩れるね」
マークの間を縫ってパス。
そして、再び黒子くんが赤髪くんへボールが戻して彼がダンク。
どう考えても体力の消耗は誰よりも大きい筈だ。
すると、タイミングがいいのか悪いのか赤髪の男の子が坊主に突っ込んだことによってファウルが言い渡された。
prev /
next
しおりを挟む