>> 凪あす
いつか後悔するとしても

読み返してみて、この話の元になった8巻のドラマCDが本当に好きだなと改めて思いました。
最後の勇と紡と過ごした日々の大切さに気付くちさきのシーンももちろんですが、ちさきが紡との関係を噂されることを気にして距離をとっていたってのもいいですよね。
比べると不憫かもしれませんが、狭山とは二人で帰ってもなにも思わないんですよ。でも紡相手だと気にしてしまう。すごく意識してるじゃん。好きになっちゃだめと思ってしまってる時点で、それはもうどうしようもなく惹かれてしまってるんですよ。

紡の方も距離をとられていることを気にしてるのがいいですよね。
普段は去るもの追わずって感じなのに、ちさきには「たまには一緒にいかないか」と誘っていて。ここの間が実は結構勇気をだしていった感があって好きです。ちさきの反応を見て返事を待たずにすぐに取り下げてしまうところも、そんな紡にちさきが罪悪感を抱くところも切なくてもどかしいけれどよき。
ちさき相手だと普通に不器用な少年になってしまう紡が可愛いです。

だからこそ、この話ではちさきの方から「明日、一緒に学校に行かない?」と誘ってほしかったんですよね。
紡への恋心は認められないし、変わっちゃいけないと思ったままだけど、それでも勇と紡のことが大切だと気付けたから、できる限り二人のことを大切にしようとするだろうなと。
ちさきって変わりたくないと思っていて、その印象が強いけれど、実は自分を変えたいとも思っているんですよね。だからこそ、その矛盾に苦しむこともあって。そんなふうに上手に生きられないところも愛しいです。
(2023/07/17)
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