SSS



[13]捕獲任務完了


※現パロ



張りつめた音が教室に響く。
聞き慣れているとは言い難いが、少なくともその辺の学生よりはよく聞いていると思う。

「いたのか」


音が止まり、代わりに発せられたのはどこか鋭さがある声であった。

「来たばっかりだけどな」
「仕事は」
「終わらせたよ。金曜日位早く帰りてえしな」
「別に帰って何をするわけでもないだろう」
「うるせえ」

反論しつつも、まったくもってその通りなのでバツが悪い。
ふん、と鼻を鳴らして、そいつはゆっくりと三味線を置いた。
「終わりか?」
「ああ。ここは冷えるから楽器にもよくない」
「なるほどな…あー、そういや」
慣れた手つきで片づけられていく三味線を見つつ言う。元々これを言いに来たのだが。

「明日か明後日空いてるか?」

するとそいつは何とも奇妙な表情をして見せた。

「文次郎が言うと気色悪いな」
「うるせえ」

柄じゃないのは解ってる。そもそも誘い自体は自分からではない。

「とりあえず、留三郎んとこで。久々にどうだ?」
「…また連絡する」

片づけ終わった三味線を持つと、そいつはこちらを見ることもせず歩き出した。
その後ろについて歩きながら、携帯を取り出す。宛先は食満留三郎。

『仙蔵捕獲』

四文字のそれを送信し、小さく笑う。
そして、背筋を伸ばして前を歩くそいつに並ぼうと、歩く速度を速めた。

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現パロ六いでした。
クールな関係の中に絆を持っていそうな二人だと思います。


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