「チッ…何でこんな時にばっか雨なんて降るんだよ……永希雅!さっさとこっちこいよ!」
「うぜーぜうぜーぜうぜーぜ!!言われなくてもわかってるぜ、タケマル!」

急に降り出した雨の中を走る、崇藤タケマルと永希雅りんどうの二人。
幸いと言うべきか、学校を出てすぐにふり始めため、二人は急いで学校に引きかえした。
とは言っても夕立を思わせる様な雨の降り様だったため、学校に入った時には既にずぶ濡れな状態になっていた。ちなみに二人は現在タケマルのクラスである3-Gにいる。もちろん誰もいるはずはなく、とても静かだ。

「…ここの所、災難続きだな……永希雅、拭くものは」
「こういう時はレディーファーストじゃねぇのかよまったく…はい、これ着替えな」

そういってりんどうは何処からか鞄を取り出してタケマルに投げる。

「……永希雅、この服何処からとってきた?」
「……私は別の部屋で着替えて来るぜ」
「待て、話を逸らすな」

すかさずタケマルが言うが、りんどうは既に部屋を出て行ってしまった。

「………」

教室にはタケマル一人だけが残された。
とりあえず着替えようと思いどこか人目がつかない所を探す。
何を思ったか、近くにあったロッカーの扉を開けると……


「…タケマル君」
「………何してんだ、テメェ」

先ほど教室を出て行ったりんどうの姉であるすずらんがすっぽりと入っていた。その手にはカメラを持っている。

「もう一度聞くぞ、何をしてる?」
「……観察」




「何処が観察だよ、ただの盗撮じゃねぇか」
「……私、明日早いから」
「逃げんじゃねぇ」

恐らくりんどうも共犯者。


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