Diary
新たな始まり
「タッケマッルちゃーん! ハッピーバースデー!!」
一月の二十五日の午前0時、タケマルがそろそろ寝ようかと思っていた時、玄関からドアを叩く音がうるさく響き、何ごとかとドアを開けたら満面の笑みなルイがなにやら大きい箱を抱えて立っていた。
「…………何してんだよテメェは」
「細かい事は気になさんなって!! とにかく寒いから上がらせてよ!!」
呆れ返ったタケマルの横をルイは持ってきた箱を大事そうに抱えながら通り過ぎ家に上がる。こうなったらもう意地でも帰らない事は分かりきっている為、仕方ないと思いつつタケマルはドアを閉めた。
「つーか、なんでこんな夜中に来たんだ」
「ん? だって今日タケマルちゃんの誕生日じゃん! 誰よりも早く祝おうと思って駆け付けたんだからな!」
「………………早すぎても迷惑なんだがな……」
「それはとにかく!! ほらケーキ作ってきたし食べよう!!」
「話し聞けよ……後甘いもんは苦手なんだが……それに全部食べきれねぇよ」
「甘さ控え目に作ったし! 余っても俺が全部食べるから!! ほらタケマルちゃんの分な」
「……まったくテメェは…………美味いなコレ」
相変わらずなルイにやはり呆れつつもケーキを食べていくタケマル。そんな様子を見てルイも笑い、かなりのハイペースでケーキを食べていった。
「……で、結局テメェは何しにきたんだよ?」
数分後、殆どはルイが食べたがケーキを食べきったタケマルは満足そうなルイにそう声を掛けた。
「だからさっきいっただろ?」
「祝うといいながらただオレの家に押しかけてケーキ食いにきただけか?それ以外に何も考えてない訳ないだろ」
「うっ………………それは…………」
図星をつかれたのか、ルイはうろたえる。
「テメェの事だ……他にも言いたい事、あるんだろ?」
「えっ……あっ……その…………」
しばらく挙動不審になっていたルイは、タケマルの顔色を見ると、口を開いた。
「あ……の…………同棲……」
「……は?」
「タケマルちゃんが、いいなら、同棲、したいんだけど…………」
「………………は!?」
ルイの発言に、素で驚くタケマル。
「いや……何でそんな……いきなり? つーか何時も会ってるよな?」
「確かに……学校や仕事でいつも会ってるけど…………もっと長く会っていたいって、いうか……もっといつも一緒にいたいって思い始めたんだよ…………朝一緒に起きて、一緒にご飯食べて、一緒に学校行って帰って、一緒に眠って…………そんな毎日を送れたらって、思い始めて……」
仄かに顔を赤く染めながら話すルイ。
話を聞いてタケマルは少し目を閉じた後……
「…………結局、同じ事考えてた訳か……」
「………………え?」
「……同じだよ。オレも同じ事考えてた。毎日をお前と一緒に過ごしていけたらどれだけいいだろうってな……」
「えっ……と……それって…………」
ルイの赤くなった顔が更に赤く染まる。そんなルイを見てタケマルは僅かだが笑った。
「近い内……何なら今日からでもいい、……一緒に、暮らさないか?」
「………………いい、の?」
「お前から話振ってきたんだ……嫌とは言わせねぇぞ」
ルイの目を見据えて言い切るタケマル。
真っ赤になったルイは暫く俯いていたが、やがて顔を上げた。
「………………もちろん!」
心の底から喜んでいる様な笑顔で、言い切った。
「それじゃあ一旦帰るから」
「は? もう帰るのか?」
「だって夜中だし眠いし後で灰葉達とまた祝いに行くし……それに荷造りもしなきゃ駄目だろ?」
「荷造りっておい……」
「今日からでも良いって言ったのタケマルちゃんだろ? マジック用の道具だっていっぱいあるんだから……時間合ったら手伝いにきてよな!」
「…………まったくテメェは変わらねぇな」
「なんだよそれー!! 馬鹿にしてんのか?」
―――――――
頑張った、頑張ったよ私!
タケマルさん誕生日おめでとう!
荷造り話はそのうち書きます
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2012/01/25 (17:17)