メモ | ナノ

Diary


ありすちゃんの話

「だから予定をキャンセルしろって言われても、流石にその理由は無理矢理すぎるだろ!大体……ってオイ夢霧!聞いてるのか!?」

何やら言い争いをしているのか、タケマルは携帯に向かって様々な主張をしていた時…

何処からか、車のエンジン音が鳴った。

振り向いたタケマルの隣に、黒い高級そうな車が素早く近付いて止まった。
瞬間、車のドアが開き、そこから手がタケマルに向かって伸びてくる。
普通よりは少し細めの腕から出るとは思えない程の怪力で体を掴まれる。

「っ………!」

呆然としたままタケマルは、車の中に連れ込まれた。
すかさずドアが閉まり、車は物凄い速さで走り去って行った。


中は小さめな見た目とは裏腹にリムジンを連想させる広さだった。
そんな内装に少し驚きつつも、タケマルは自らを掴み、引き込んだ人物を睨み付けた。

「テメェッ……何しやがる!」
「うるせぇ。今は黙ってろ」

自らを連れ込んだ人物は、黒い髪に黒い服、全てが黒で統一された様な青年であった。目は閉じられているが、突き刺さる様な視線が感じられる。
彼の隣には、対照的に青緑がかった白い髪に白いドレス。右目側に包帯を巻いた、いかにも儚げな女性が座っていた。

「……オイ、これでよかったのか?」

不意に青年の方が誰かに声を掛ける。

「ふむ、ご苦労だ。影斬イザナよ」

車の奥の方から、よく聞き慣れた可愛らしい声が聞こえてきた。
タケマルは思わずその声が聞こえた方を向いた。
案の定、そこにいたのは透き通る陶器の様な白い肌に子供と見間違える程小さい身体をふかふかと膨らんだドレスで包み、膝元まで長い見事な金髪に宝石の様な蒼とバイオレットの醒めた瞳の少女。

「……琉望我!?」
「久々の再会だな、崇藤タケマル」


「どういう事だ……何でテメェが此所に居るんだ?」

車の中に拉致られてから暫くして、タケマルがありすに聞く。
聞かれた本人は、隣にいる女性、八ヶ崎てれさと共にマカロンを食べていた。

「ふむ……彼らは所謂私の後見人なのだ」

そう言ってありすは口にいれたマカロンを咀嚼した。

「君、最初の事故で私が家族を失くし孤児になった事は知っているだろう?」
「……一応な」

そう言われタケマルはこの前ありす自身から聞いた彼女の生い立ちを思い浮かべた。

「まぁ琉望我家というのは元々は有名な家柄らしかったそうでな……今私が住んでいる家は兎も角敷地等もそっちが支払ってくれるという訳だよ。それに私を支援しようと言い出した者達は他にもいるのだ。君もよぅく知っている人達のはずだ」
「………つまり、どういう事だ?」
何故か開けてはいけない様な気を一瞬感じる。

「要するにだ、私は九条院財閥、花蝶院財閥、そして八ヶ崎財閥の所謂三家からの支援を受けているという訳だ。どうせ世間の目を引く為の只の偽善行為だろうから私にとってはありがた迷惑だ……まぁどちらにしろ彼らの親が当主だった頃の話だからな……今の当主世代にはどうしようもない話だ」

そう話したありすの顔は何処か暗く沈んでいる様に見えた。
―――――――――
冒頭もオチも行方不明で本当にすみません………
ありすちゃんは書いた通り九条院に八ヶ先に花蝶院が後見人だったり

どうでもいいけど今週のジャンプはとてもたぎりました
comment:(0)
2011/06/28 (00:11)


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