「彼女」の為に *蝸牛 in...ohter


 ゆらりと、その場所に赴く。
 そこは高層ビルの屋上。私みたいなのが出て来る漫画やドラマでは、ありがちすぎるそんな場所。
 標的は確認済み。かなり遠くだが、私にとっては問題ない。

「……ごめんなさい。これが私の「仕事」なんです」

 聞こえていないだろうけど、小声で謝る。
 そうして、肩に背負ってる右側の鞄から「それ」を取り出す。

「兄さんと……彼女の笑顔を見る為に、私は生きます」



 ゆらりと、その場所に赴く。
 そこは廃工場。普通の人など到底近寄らない位に朽ちた場所。
 「標的」は既に呼び出してある。いつもの様に音を立てず近くに寄る。

「……確かに、良いものではない、これが俺の「仕事」なんだ」

 相手に気付かれない様に。小声で呟く。
 そうして、肩に背負ってる左側の鞄から「それ」を取り出す。

「妹と……彼女の幸せの為に、俺は生きる」



(雛詠+護詠)




fin...12.06.27


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -