ここに in...engm


 消えると覚悟していた。
 あの世界に私は受け入れられないだろうと。

 そう思っていた記憶は、覚悟は、私が気付いた時に思い出した。




 親はいない。友達もいない。私を知っている人は誰もいない。
 これみよがしに人の目の前を通り過ぎても、誰も私には気付いてくれない。
 私は、ここに「いる」のに……


「誰か、気付いて」

 呟いた声は聞こえる筈もなく、誰にも届かない。




fin...12.07.15


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -