「____」 そう告げると君は笑う。それはとても柔らかくて、優しくて、暖かい。 そして君は、僕もだよと消えそうな声で、泣きそうな声で呟くのだ。 幸せな空間。しかし、これで満足はしていない。僕はまだ、肝心なことを伝えられていないのだ。言いたいことは、もっと重くて苦しくて、深い。しかし、告げてしまえば、今が壊れてしまうのではないかという恐怖と不安に、首を絞められてしまう。 「____」 僕の気持ちはそれだけではないのに、それ以上の言葉を紡ぐことができない。 酷く臆病な心を呪った。 損な心を隠すように、同じ言葉を繰り返し口付けを誘う。 「____」 どうかこれだけの言葉で笑わないでおくれ。 「____」 どうか、これだけの軽い言葉で幸せを満たさないでおくれ… |