央聖の可能性とか無いですか
聖央でもいいです
朔が死んでから央が狂って聖の方にいけばいいなと。そのとき聖いるかわかんないけど。


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部屋に、誰かの嗚咽が響く。
私には誰が嗚咽を上げているかわからない。

「ひじりぃ…ごめんなさいぃ」

あぁ、その声は央か。
どこに居るのだ、今の私は目が利かなくてな。お前がどこにいるのかもわからないのだ。

「僕の、せいで、ごめん、ごめ…なさい…」

大丈夫だ、お前のせいではない。
これは私が望んだ結果でもある。だから、お前のせいではないのだよ。
どうか泣かないでおくれ、私の大切な兄弟。

「死なないで、いかないで」

それは無理なお願いだ。私は死ぬ。
不思議なものだな、自分の体温が静かに低下していくのを感じている。

今の私に、お前を抱きしめる術があったのなら、きっとお前を慰めてやれたのだろう。
今の私に、歩く術があったのなら、お前をここから連れ出してやれるのに。

今の私は、お前に何もしてやれない。
それが悔しくて堪らない。


千代よ。
恋人より、兄弟を優先したことを許しておくれ。
お主は、今の私の姿を見ても、愛していると言ってくれるだろうか。私はきっと元の姿を留めてはいないが、お主ならどんな姿の私にも気付き、愛していると言ってくれるだろう。
そして、どうか、兄弟を責めないでおくれ。
あいつは何も悪くない。
悪くないのだから。

千代よ。
私を迎えに来た時、私がまだここに存在できていたら、共にそちらへ連れて行っておくれ。

「聖!!」

その声は、父上か。足音は複数、きっと母上もそこにいらっしゃるのだろう。

「聖、しっかりしろ!」

そんなに揺らさないでください父上。私は大丈夫ですから。

身体が冷たい。それがなんとも心地良い。
初めて千代を抱きしめた時に似た心地だ。
あぁ、そうか。これは

「父上…母上…」

「喋るな!」

「私は」

千代が私を呼んでいるのだ。

「愛しい人のいる元へ行きます」

待っておくれ千代。私は今手足が使えないのだ。

ふわりと身体が軽くなる。
連れて行ってくれるのかい?

"愛しておるぞ、聖よ"

ありがとう、千代。

愛している。




「聖、聖!」
「やめるんだ翡翠。もう聖は、死んだんだ」
聖の亡骸を揺らす翡翠に、それを止めるりくの姿がある。
そのずっと後ろの方で、聖の命を奪った央が、膝を抱えて小さく震えていた。
我の姿は、きっと此奴らには見えておらんのじゃろう。

ゆっくりと、床に足をつける。久しぶりの地上の感覚に、少しの不安を覚えた。

上手く実体化できただろうか。

「聖」

我の声に、両親が反応する。央は、その場から動かない。

「聖、迎えに来た。共に行こう」

冷たくなった聖を抱きしめる。
目もなければ腕も、脚も無く、身体がひとまわり小さくなったようじゃな。

聖、


諦めたΣd(゚∀゚d)







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