ウチにはたくさんの父親がいる
正直、ウザさはMAX

そんな父親たちは勿論、ウチの実父じゃない
みんな、育ての親見たいなもん




いってきますと家をでて
ただいまと変えるのは別の家

始めこそ戸惑っていた生活も、今では楽しくなっている。


「ただいま…って、あいつ先に帰ってたんじゃん」


玄関先で子供の靴見つけ、ウチは地下へ。

目の前で繰り広げられる、父親vs息子のガチバトルには、もう驚かない。


2人が殺り終えたら、次はウチだ。
緩慢な動作でベストを脱ぎ、ネクタイを緩めた。

………可笑しい、静かになった?
ボタンに掛けていたてを止め、視線を上げる。


「ちょ、雛っ!!こんなとこで脱ぐなよなぁっ!」

「ストリップなら僕の部屋でやってくれる?」


血の繋がった親子はそれぞれ、温度差のある答えを返す。

あぁ…キモい言葉は脳内消去されたよ。



「で?言ってる事とやってる事違うんだが…恭弥パパ」


ネクタイを外しにかかる手を掴み、にっこりと笑いかける。
こめかみの痙攣は自然現象だ、高血圧なんかじゃない。

止めようともしない目の前の男に殺意が沸いたのは、もう随分昔の事。
脱がすとか、本気………じゃ、なかった、と思う…うん、多分?

だから強く否定はしない。
でも、抵抗くらいはする。


「なー雲雀ぃー助けてー」


放心していた雲雀(子)へ、半ば棒読みで言うと、嬉々として父親へ向かう。


「ムダ」


勿論片手で止められるのだが、それを確認したウチはニヤリ。


「これで両手とも、使えないっ、と!!」


思いきりの頭突きで、やっと距離が取れた。
正直、額はやたら痛い…


「やってくれるね、雛…」


大人vs子供2

いつものごとく、決戦は深夜まで続くのだ。




(恭さん、すぐにでも入浴が出来ます)
(…そう、雛から入りなよ)
(ん〜………3人で入ろうぜ!!)
(((!!!!?)))
(ん?どうしんだ?)



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