数年前、目覚めたウチを…その人はぎゅっと抱き締めた。
今にも泣きそうに、優しく諭して…
「君は…僕が、守るから」
ウチは嫌な視線を感じ、不愉快な起床をした。
顔を緩ませる男と目が会う。
「……おはよう、パパ」
眠たい声を隠さず言うと、がばりと抱き締められる。
「雛、今日も可愛いっ!!」
女の子で、しかも小さいウチに、その衝撃は大きくて…
ウチはまた、ベッドへと戻った。
ボフンと身体が跳ねる。
ウチの意識は覚醒して、傍でみつけた小さな生き物に助けを求めた。
「た、助けてっ!ナッツ、ナッツ〜」
呼ばれて瞳を輝かす小動物は、ガウッと啼くと、ぴょんとベッドへ飛び乗る。
その後はもう、やりたい放題だ。
パパに枕もクッションも投げつけて、ナッツとベッドで跳ねる。
時間なんて、あっという間に過ぎていく。
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