いつもどおり。 | ナノ


4  




―――気づいたら、オレは机を蹴り飛ばしていた。
オレの前の席…ひょうたに当たったみたいだが、そんなことは知らない。

「ウッスくん…?」

「うるせえ!……やってられっか」

そう吐き捨てて出ていこうとするとアンジュが駆け寄って来た。

「…あ?」

「…」

「なんだよ、何か文句あるのか?」

「文句はない。…けど、謝らないの?前の席の子に」

ギロッとひょうたを睨む。思いの外強く蹴った様で、背中を押さえながら涙目で少し震えていた。

「はあ?何でオレ様が謝らなきゃいけねえんだよ」

「何でって…酷いことしたからでしょう?」

「酷いこと?何が酷いんだよ」

「な、…」

信じられない、という目で見据えられた。
『何が』なんてな。確信犯だ。
酷いこととはわかってる、でもオレ様は謝りはしない。



なぜって?

オレ様は、ウッス様だからな。


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