連載プロローグ風 その1


「ヒッ」

 お母さん、私は今大ピンチです。
 たくさんの男の人に囲まれています。しかもなんだか服装が普通じゃありません。ただ真っ直ぐ家に帰っていたはずなのに、どこの路地裏に迷い込んだのでしょう。
 ああでも路地裏にしては広すぎるし明るいような……

「おめェどこから来たんだ?」
「どこのモンだ」
「奇妙な服着てんなァ」

 なぁなぁと詰め寄られても、足がすくんで動けません。むしろ腰が抜けてるみたい。
 はっきり言って怖いです。目つき悪いし声低いし、見れば刀を腰に差してるし……なにここ戦国時代?

「おい、何とか言ったらどうだ?」
「うぅっ……ぅ」
「あ? なんか泣きそうじゃねえか?」
「おまえ等が詰め寄るからだろ」
「そうだそうだ、オッサンに詰め寄られても女は嬉しくねェぞ」
「うっせ! てめェタメだろうが!!」

 耳がガンガンする大きな声だけでも私の心臓を締め付けるのには十分で。それなのに、怒鳴り合うと私が怒られているみたいで恐怖心に拍車がかかって、スクールバッグを抱き締める腕に力がこもる。

「で、お嬢さん、君の名前は?」
「ナンパすんなよ!」
「違ぇよ!」

 ごくごく平凡な生活を送っていた私。こんな怖い人たちに囲まれたこっはないし、犯罪に巻き込まれたこともなければナンパにあったこともない。
 だから、怖くて怖くて…17にもなって情けないけど

「お゛」
「お゛?」

「お゛があ゛ざぁぁぁあああ、ん、だずげでぇぇぇ」




――スタン




 私の情けない祈りが通じたのか、目の前に青い翼の天使が舞い降り…………

 お母さん。天使っておじさんなの?






(マルコ、お前この子の母親だったのか!)
(は? なに馬鹿なこと言ってんだい。で、こいつは?)
(だからお前のむゴファッ)

(怖い人が増えたよぉぉ)


突発的に思いついたネタ。
連載にするか不明だけどプロローグみたいのは思いついてる!って言うのを拍手お礼にしてみようかと。
2010.1116~1208
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