学パロ制服談義 ルーキー篇


「制服? んなもんない方が良いに決まってんじゃねーか。着るもんまで他人に決められる意味がわからねェ。ま、どっちかつったら学ラン派だな。ブレザーはネクタイがウゼェ」

 なんだかんだと言いつつ、指定の学ランをボタン全開けで着ているキッド。ちなみに彼の学ランの中身が真っ白なYシャツになることはない。春夏はTシャツ、秋冬はトレーナー、パーカーである。色は決まって赤。

「おれはどっちでもいいが、ブレザー派だ。ユースタス屋と被るのも気持ち悪ィし、この制服は結構気に入ってるしな。それに、おれはどっかのゴーグル野郎と違ってネクタイを締められる」

 そう言って気だるさを表現したネクタイをいじるのはロー。こちらもボタン全開。Yシャツも第二ボタンまで開けている。しかし今流行りの腰パンというものはしていない。彼の意見としては「脚を短く見せる意味がわからねェ」とのこと。

「ああ?トラファルガーてめェ喧嘩売ってんのか?」
「おれは事実を言ったまでだ」
「おれがいつネクタイ締めれねェつったんだよ。ウゼェっつっただけだろうが」「上手く締められないからウザいんだろ?」
「んだと?」
「キッド、やめておけ」

 今にもローに飛び掛かりそうなキッドをなだめるのは、彼のクラスメートであるキラー。学ランはお気に召さないらしくYシャツのみ。しかも柄物。気温が下がる頃にはキッド同様パーカーの類に着替えるらしい。……それで制服を着ていると判断できるとは思えないが、通用するという。

「ふん、良いオトモダチがいて良かったな、ユースタス屋」
「てんめっ……!!」
「ところで殺戮屋、その仮面は有りなのか?」

 鎮まりかけたキッドに発破を掛け、キラーの顔全面を覆っている仮面を指差し、ローが問う。

「問題ない。眼鏡は顔の一部というだろう、アレと同じだ」

 顔の一部と言うか、顔のすべてだろう。キッド相手なら突っこめたかもしれないが、キラー相手に突っこめなかった。

「そうか……。仮面を取って登校しても、その髪型で判別ぐらいはつくだろうな」

 ローはフォローになっていない言葉を返すことで精一杯だった。


キラー屋より、殺戮屋の方がしっくりくる気がした。
2010.1016~1116
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