※夢主がドS気味です。ミホークが踏まれます。それが大丈夫な方はどうぞ。















無味無臭の痺れ薬。
ちょっとした興味から微量を分けて貰うことに成功し、ミホークの酒瓶に仕込んだのがちょっと前。で、その結果が今私の目の前に転がっている。

「世界一も、こうも惰弱になるのね」

踵のヒールでミホークの背中をくり、と押した。さすがに、世界一の剣豪。この程度なら己のプライドを折られたとか、そういう感覚にはならないらしい。その体に効いた薬は、世界一の剣豪を無様にも私の足元に転がしてくれた。

「おっかしい」
「満足か?」
「全く。」

ふふ、と嗤うとミホークは眉を寄せて不機嫌そうな顔をした。背中を今度は強く抉るように押した。ぎゅ、と布が捩れる音がして、ミホークはすこし息をついた。あーゾクゾクしてきた。

「足、なめて」
「…」
「はやく」

ミホークは呆れたような顔をしてから仕方無しに、ハイヒールの脱げた、私の片足に舌を伸ばした。血の巡りが悪そうな、白い顔から覗く赤い舌がバンパイアみたいで、なおさらこの非日常に無いものが立ち上がりそうなんですけど。
ミホークの舌は私の足の親指に伸びて、ちゅくという音と共に絡めて吸った。舌技が相変わらず凄いのは確信犯だろう。

(生意気ね、可愛いけど)

睫毛の長さにうっとりしてから、私はもう片方の足をあげて、ミホークの肩と腕の間を狙って靴の先を押し込み、ドカとミホークを掬い上げるように蹴り飛ばした。ミホークはテーブルの足に体を打ち付けた。ガシャアン、と音がして、安物のワイングラスがパン、と床に砕け散った。鷹のような瞳を細めてから、ミホークはべっと口から血を吐き出した。

「…ナマエ。」
「何よ。」
「後悔の意味を知らしめてやろう」
「その時は、その時。でも今は、私の番。…それに、感謝して。肩狙っても良かったのよ」


剣士の肩傷は致命傷でしょ?
玉座の肘掛けにしなだれかかると、ミホークは眼光を強めた。私がそんなに欲しいなら今は、私に踏みつけられてれば良いの。そうじゃなきゃ私、貴方の相手すらする気になれないわ。
椅子から無様なミホークを見下ろした。表情を変えないようにしてるけど、あなたってわかる人には分かりやすい顔するのよね。
今の顔?そうね差詰、野犬のように獰猛な目付きね。

「今は鷹には成れないわ」
「…」
「貴方、噛みつきたくて堪らないっていう、いじめ甲斐のある顔してる」
「貴様、」
「鷹だなんて烏滸がましい、野犬で十分。……ああもう、その目やめてよ、もっといじめたくなる」

地べたに這いつくばる姿なんて私にしか見れないのよね。…フフ、見せたくないわね、他の女になんて。男にもよ。

可愛くて堪らない。

さて、そろそろ薬は切れるかしら。ミホークの指はぴくりと動いて、ミホークは体をゆっくり押し上げた。すかさず、私はミホークの背中に腰を下ろした。脇腹をすこし撫でると、腕はあっけなく力をなくす。

「やだミホーク、もっと支えて頂戴」
「ナマエ、いい加減に、やめろ」
「い、や、よ」

私がそう言ったのとほぼ同時に、ミホークは力の入りにくい体を奮い立たせたかと思うと、がしっと私の足をつかんだ。そして体の向きを直して立ち上がるのと同時に私を姫抱きにした。私は、ミホークの頬に手を伸ばして、顎に向かって撫でた。

「…どう?私に踏まれる気分は」

そのまま首に指を沿わせ、鎖骨を撫でてから胸板に手を置いて、ミホークに私は擦り寄った。ミホークは私をぎゅっと抱く力を強めて、それから口をゆっくり開いた。
何か含んだ笑みを浮かべて、ミホークは一言こういった。



「癖になりそうだ」




濡れる





『序破急』の鷲崎さんから3000hitを踏んだのでキリリク頂きました!
「ミホークを踏みつけて屈辱を味あわせたい」なんていう、私の願望(欲望?)だだもれの設定をこんな素晴らしい形にしていただきまして、ありがとうございます!!ミホーク可愛いわァ…ほんと、もっといじめたくなる。そしてなんといってもタイトルがね!うん、アダルトですね(笑)
2011.0323
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