「ナマエー、緑間君来たよ」
「…ほんとだ」


休み時間、クラスメートに声を掛けられて顔を上げると教室の前の入口に背の高い緑頭が見えた。またいつも通りの呼び出しか、と思いながら私は席を立つ。


「ミョウジ、コンタクトの洗浄液は持ってないか」
「真ちゃんいつの間にコンタクトに…ってもしかしなくてもラッキーアイテムですか」
「俺の今日のラッキーアイテムだったのだよ」


入口に近づいて、私が何の用か、と問いかける前に彼は話し始めた。隣のクラスの真ちゃん、こと緑間真太郎くんは最近私の教室に良く現れる。というのも何故か彼のその日のラッキーアイテムを私が 偶 然 持ち合わせていることが多いからだ。以前はまず自分のクラスで探してから私のクラスに来ていたようだけれど、最近は自分で持ち合わせていなければ真っ先に私の所へ来るようになった。

きっかけはパインで、私が調理実習の買い出し(フルーツ担当)だったために、渡すことになった。次の時は陶器の貯金箱、貯めていた500円貯金をはたいて放課後にお買い物しようと思っていたため、学校に持ってきていたのだ。その次はクラスの学祭用の旗を描くために買ってきた大きな筆だった。

偶然の連続は必然だ、というのは真ちゃん曰く。そういうわけで私は彼のラッキーアイテム係になってしまったのだ。



みつかった!



「ミョウジ、ピンクのピン止めを持っていないか」
「…頭に着けてくれるなら貸してあげる」
「…良いから貸すのだよ」
「ピンぐらい付けてやれよ真ちゃんー」



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