いつも一緒の、幼馴染の彼が帝光中でバスケ部に入ったから、私がそこでマネージャーをやるのも至極当然のことだった。毎日ある練習の中で、できた習慣がある。

「あ゛ー、疲れた。ほんとやだ、なんで毎日ランニングばっかり」
「敦、おつかれさま」
「ナマエちんー、疲れたよ」

ランニング終わりの彼に、はい、とタオルを差し出せばいつも通り、受け取らずに頭を下げる。お風呂上がりにするように、頭を拭くと満足そうに頭を上げた。ありがとう、と言ってドリンクを取りに行ったところで、入れ替わりのように黄瀬くんが近づいてきた。

「ナマエっちー、オレにもしてくんないんスか」
「えー、黄瀬くんも?」

ぐいっと頭を差し出す黄瀬くん。黄瀬くんも背が高い、といっても敦よりは低いわけで、いつもよりは少し楽。このいい匂いは香水だろうか、と考えていると後ろから強い力で両手を掴まれる。

「痛っ…?」
「ねぇ、何してんの」
「いや、ただの冗談っスよ…そんな怖い顔しないでほしいっス」

上からいつもよりかなり低い、敦の声がする。頭を上げた黄瀬くんの表情から察するに、かなり怒っているみたいだ。逃げるように走り去る黄瀬くんの背中を見送りながら、ぼんやりと、帰りに敦をどうなだめようかと考える。

無自覚の独占欲


「ナマエちんは、他の人の世話しなくていいから」
「いや、私マネージャーだし…」



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