私何してんだろ。気がつけば目の前は真っ白な天井、まっさらなシーツにくるまっていた。車に、はねられたんだっけ…。ばかみたい。マフィアのくせに向かってきた車一台も避けられないなんて。誰がここまで運んでくれたかは言われなくてもわかってる。
迷惑かけたくなかったのに。やっぱり誰かがいないと生きていけない。1人じゃ何もできない。自分の不甲斐なさが嫌になるけど事実だもの。思いと共鳴しているのか、涙が自然と溢れてきた。

コンコン

控え目なノックが聞こえたが気力も起きず、返事はしなかった。

「入りますよ」

入ってきたのは骸だった。こんな時ですら動作ひとつひとつが優雅で不謹慎にも綺麗だなあと思った。

「調子はどうですか」
「助けてくれたんでしょう?ありがとう」
「何がですか?」
「あの事故で打撲だけなんておかしいもの」
「君には隠し事ができませんね」

それにしても何故泣いているのですか、と骸が涙を拭ってくれた。それなのに次から次へと涙が溢れてきて笑われた。

「…困った人ですね」
「骸が、やさしくするから、」
「おや、当然でしょう」
「え?」
「僕は君に滅法弱い」

不意に抱き寄せられた。こんなことされるのは初めてなのに何故かすごく安心して骸の胸に耳を寄せると鼓動が聞こえた。

「大事に至らなくて安心しました」
「ごめんね」
「無茶しないでください」
「あなたがこんなことしてくれるなんて」
「これで僕のことも少しは信用してくれましたか」
「…情けない話なんだけど、聞いてくれる?」
「どうぞ」
「ザンザスとはもう無関係なの。二度と会わないって約束で解雇。お金もないしボンゴレとは関われないし。なのに頼れる人はボンゴレばかりで、今だってこうして骸と会ってる。最低よ、私。約束すら守れないなんて」
「これからどうするんですか」
「だから困ってる!みんなリボーンに頼れって、そればっかり言って!ボンゴレとは縁を切らないといけないのに!」
「落ち着いてください」
「どうすればいいの…」
「そのために呼んだんです」
「え?」

部屋の入り口にリボーンが立ってた。いつものスーツにボルサリーノをかぶって私を見ていた。











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