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「……え、」


 どこだここ。

 ただの一般男子高校生からNARUTOの世界にトリップした事は深くよく覚えている。だって漫画の世界に行くなんて事、滅多に(というか全く)あるわけがない。見事なまでにナルトや第七班に巻き込まれて忍者生活を送ったと思ったら暁という組織に殺されてその生涯を閉じた。はずだったのだが、瞼を開けるとそこは、


「俺の家…?」


 どういう事だ。今までの、NARUTOの世界に行ったこともそれに巻き込まれたのも全部夢だったのか…?いや、そんな筈は…ある訳がない。あんなリアルな長い夢、な、訳が、ない、筈。


 恐る恐る右手と左手を合わせてみた。

「か、影分身の術!」


ぼふん、

間抜けな音と共に自身にそっくりな人間が隣に現れた。やっぱり、これって、


「…夢じゃ無かった…」