2度目の

12

それから、俺達の関係が変わったのかというとそれほど変わっていない。

相変わらず俺に話しかける時上杉は真っ赤になりながらえらく時間がかかるし、おどおどと視線をそらして切り出すのにも時間がかかる。

だけど、俺が何かを聞けば必ず答えてくれるし、「半田君は?」と俺の意見を聞いてくれるようになった。

俺も、馬鹿みたいに自分が好かれてることだけに縋らなくなった。
だって俺が上杉といるのは、俺があいつの事を好きだからだ。

「大好きだよ。」

横に座っている恋人に向かって呟くと、大げさに肩を揺らして真っ赤な顔でこちらを見た。

それから「半田君ありがとう。」そう言って上杉は笑顔を浮かべた。




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