2度目の

11

胸のさきっぽをつままれて押しつぶされると、体がビクリとはねてしまう。

思考が甘く甘く、とろりと溶けていく。

「あっ、あっ……。」

甘ったるい甘えた声が出る。それに答えるみたいに上杉の手が俺の頭を撫でる。
まるで俺を甘やかしてくれているみたいな手つきで、思わず頭をこすりつけてしまう。

はあはあという上杉の荒い息が体にあたって、それだけで快感を拾ってしまう。

お互い無言のまま、上杉は俺のズボンと下着を脱がした。
既に完全に反応しているどころか、先走りが糸を引いていて羞恥にも似た感情で思わず赤くなってしまう。

「半田君、とろとろになってる。」

ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる。

「ずっと触って欲しかった、から……。」

それだけしか言えなかった。けれどそれが本音だ。

「ちょっと我慢できそうにないから、乱暴だったらゴメン。」

荒い息のまま上杉が言う。
返事をする前に指が入って来て思わず上杉の肩を掴んでしまう。

「半田君の中、吸いついてくるよ。」
「ひぅっ、言うなッ、あっ。」

まずい。頭の中が気持ちいいと早く上杉と繋がりたいでいっぱいになってしまう。
喉の奥からでたみたいな甲高い喘ぎ声がひっきりなしに出てしまう。

「キス、したぁっ、あぅッ……。」

ちゃんと言えなかったけれど上杉の唇が、ちゅっちゅと音を立てるみたいに俺の唇をついばむ。
涎が垂れているのをなめとられて、その間も中を拓く指はぐちゅぐちゅと音を立てていて頭がどうにかなりそうだった。

「ごめん。もう限界だ。」

そう言うと上杉は指を引き抜く。
今日の上杉は謝ってばかりだ。

「俺も、もうシテ欲しいっ、やぁっ、ああっ――。」

上杉が一気に押し入ってきて、目の奥が真っ白になったみたいになる。
熱くて、中が悦んで吸い付いているのが自分でも分かる。

「上杉、すきぃっっ……。」

好きなんだ。だから、だから……。

上手く伝えられなくて、ただ好きだと嬉しいとうわごとの様に喘ぎに混じりながら言うことしかできない。
腕を背中に回して縋りついて、上杉に翻弄される事しかできなかった。


ほぼ同時に吐精して、ゼイゼイと二人で荒い息なのに上杉が汗で張り付いた俺の髪の毛をそっと解す様にかきあげる。

「ご、ごめん。体大丈夫?」

オロオロといつもの様子で聞かれる。
先ほどまでの欲情した表情はもう見えないし、困った様に垂れた眉は本当に申し訳なさそうに見える。

「俺がしたかったんだから、大丈夫。」

終わった後少し体が辛いのは前回と一緒だ。
甘い疼きの様なものがまだ体に残っているから離れがたいけど大丈夫。

ずるり、と上杉自身を引き抜かれて「ひあぅっ……。」と思わず喘いでしまったのは恥ずかしかったけれど、すぐにこの熱もおさまる筈だ。

それを見た上杉が「あ……。」とか「う……。」とか言葉にならない声を上げて視線を彷徨わせる。

「言いたい事があったら言ってほしい。」

いつもは待っていた。それで優越感に浸りながらも勝手に自滅してしまったからだから……。
だけど、俺達は恋人同士だから言いたいことは言ってほしい。

「……後始末は俺がするから。
後、それが終わったら半田君休んだ方が良いから。
俺、今日はもう帰るべきなんだろうけどだけど一緒にいたいって我儘言いたかっただけだけだから。」
「なんだ……。俺も上杉にそばにいて欲しい。」

ここのところ寝不足だった所為でなんだか眠たい。

重たくなってくる瞼に「少し寝てていいよ。」と上杉が笑って頭を撫でた。

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