No Smoking


▼ 16-3/3

 陽も落ちて、そろそろ夕飯時というこの時間。食事の支度を済ませ、おたまを手にエプロンをつけたまま薄暗い玄関でスモーカーさん待機中のわたし、こと家政婦の鑑ナマエちゃん。

 もともとわたしは料理をするときにエプロンをつけるタイプではなかったのだが、こないだ料理中に生卵をぶちまけて洗濯に苦労して以来、スモーカーさんに買ってもらったこのカワイイエプロンを愛用している。主婦らしさが増してきた自覚はあるけど、断じてわたしは家政婦だと言い張るのだ。
 というかスモーカーさん、いい趣味してんだよなあ。エプロン見つけたら買っといてください、ってほとんど期待せずに頼んどいたらあの人、意外にもこの物凄くいい感じなエプロンを寄越してくれたのだ。地の色は落ち着いたネイビーでシンプルな柄なのに、リボンが黄色いのがなんか超カワイイのだ。おかげで今後服買うのスモーカーさんに付き合ってもらうべきかなってちょっと思ってしまった。悔しい。しかしこのカワイイエプロンをスモーカーさんがレジに持ってたかと思うと、結構笑えるんだよなあ。

 閑話休題、わたしがこうして玄関に張り付いているのは、スモーカーさんから件の謝罪を頂くまで夕飯を差し上げる気がないからである。あと自分でやっといて何だが、あのえげつない芳香をクリーンなこの家で放散されると普通に迷惑だし……消臭剤と謳っておいて安っぽい香り付きの粗悪品、流石のあの人も反省してくれてるといいんだけど。


「!」

 ドアの外から足音が聞こえてきた。この足取り……がスモーカーさんかどうかとかは分からないが、なんとなく葉巻の気配を感じる。なんとなく。

 そのままわたしの予想通り、足音は玄関のドアの前で途絶え、間髪入れずに向こう側から鍵が差し込まれる音が聞こえてきた。そして暫定スモーカーさんは取手を掴んだらしく、カチ、と硬質な音ともに、ゆっくりとドアが開かれる。さあ来るぞ、外の暗闇が垣間見えるその隙間から顔を覗かせたのは――

「ハイどうもおかえりなさい」

 泣く子も黙るヤクザ顔に、深々と刻まれた眉間の皺。そして咥えた葉巻は何故か二つ。見慣れたにっくきスモーカーさんの姿は、葉巻の煙と消臭剤(香り付き)の芳香が混ざり合って、なんとも殺人的な匂いを纏っている。おたま片手に腕を組み、仁王立ちで出迎えたわたしに気付くや否や、彼は半開きのドアの向こうで驚いたように目を見開いた。

「お前、玄関で何を……」
「ご覧の通り待ち伏せです。さてもちろん、今朝のわたしへの狼藉、忘れたわけじゃないですよね」

 玄関の段差の上に立ってるというのに、それでもまだ高い位置にあるスモーカーさんを振り仰ぎ、わたしはまっすぐに彼と視線をかち合わせる。しかしクザンさんの前じゃ霞むけど、この人も相当な長身だよなあ。おそらく2メートル近く……そのせいでこうしてるだけでも威圧感が凄い。

「わたしもさすがに、今朝はカッとしてやりすぎちゃったなと思ってます、ごめんなさい。けど、スモーカーさんだってあんな言い方しなくてもいいじゃないですか! わたし、本当に市販の消臭剤じゃ駄目なんです。自分でいくつも試してみましたけど、匂いは落ちないし、物によってはどぎつい香り付きだったりしてお話になんないんですよ。差し上げたそれは特に酷いやつですけど、スモーカーさんも一日過ごして分かってくれたでしょう」

 わたしが言い募っても、スモーカーさんは反論もせず、妙な面差しで黙り込んだままだ。じっとこちらを見つめる張り詰めたような彼の視線からは、どうにも表情が伺えない。別に怒ってるという訳ではなさそうだが、何も言われないと逆に不安になる。
 とはいえ怖気付いてはいられない。スモーカーさんが謝るまで和解しないと決めてるのだ、こっちは。わたしは負けじと勢い込んで、手にしたおたまをビシリとスモーカーさんに突きつけた。

「だからつまり、わたしになんか言わなきゃいけないことあるんじゃないですか、スモーカーさ――」
「ナマエ」

 わたしの言葉を遮るように、スモーカーさんが唐突に口を開いた。返事をするより早く、そのまま片手でドアを押しやりつつ一歩こちらに近づいてきたスモーカーさんに、正面に突き出していた腕を掴まれる。ちょ、待て待て、ご飯前なのにこの匂いが移るとまじで死活問題なのだが!

「ちょ、離してくださ」
「……一つ聞きてェことがある」
「は? なんなんですかいきなり」
「黙って聞け」

横暴な。さっきの謝る流れだっただろう、どう考えても。毎度のこととはいえ、お願いだから人の話に耳を傾けることを覚えてほしい。
 反論すべくもしかし、この人の眉間の皺と比例してわたしの腕を掴む手にも力が篭るので、大人しく閉口するしかない。わたしの袖は肘まで捲り上げられているから、スモーカーさんの掴んでいる辺りはちょうど素肌だ。皮膚に直接触れる革手袋は、夜の匂いを吸ったせいか無機物じみてひやりと冷たい。

「――ナマエ、てめェは小生意気で、能天気で、頑固でしつこい上、消臭に煩くて、おまけにとことん青臭ェガキだが……」

 な、なんかいきなり貶された。ツッコミどころが多すぎて困るが、とりあえず消臭に煩いは褒め言葉だ。間違えてもらっちゃ困る。

「それでも、肝心なところじゃキッチリ弁えてる、よく出来た奴だ。息抜きの仕方を知らねェのは玉に瑕だが、大抵のこたァ効率よくこなせるし、言動の割に気も回る。あの一筋縄じゃいかねェ上層部の連中に上手く馴染むくらいの愛嬌もある。それに、器量だって悪かねェ」

貶されたかと思えばいきなりめちゃくちゃ褒められたのだが。なにを企んでんだ。あれか、このものすごくフローラルな消臭剤の匂いを嗅ぎ続けたせいで、とうとう脳にまで影響が出てしまったとかかスモーカーさん。
 ……というか。さらっと言われたけど、器量って見た目の話、だよな。うわ、なんというか、意外だ。この人、他人の容姿を褒めたりするんだな。お世辞にしろ冗談にしろ、スモーカーさんに言われると意外さも相まって普通に照れてしまう。わたしの純真を弄びおって、くそうこのスケコマシめ。不本意ながら思わず威勢を失ってしまい、わたしは軽く息を吐いた。

「……なにが言いたいんですか、一体」
「今のは、おれのお前に対する素直な評価だ。おれが言いてェのは、だからこそ海軍に拘らなくても、お前なら……どこに居ようと生きていけるだろう」

 わたしを引き止めるスモーカーさんの手に、僅かに力が篭るのがわかった。

「ここを、出て行きてェと思ったことはねェのか」



 思わずぽかんと口を開けていた。

 それはまた奇妙な問いだった。いやはや、なんでそんな今更なことをいきなり尋ねてくるんだろう。そういえば以前、クザンさんにも似たようなことを言われたような記憶もある。喧嘩で思うところがあったのか、それともなにやら不穏だったクザンさんとの話し合いのせいなのか、わたしにはさっぱり分からない。しかしここまで改まっておいて、わたしの謝罪要求もぶった切っておいて、どうしてまたこんな質問をするに至ったんだろうか。

「ばかですね、スモーカーさん。出ていきたいとかそんなの思ったこと……あるに決まってんじゃないですか」

 訝しく思いつつ返事をすると、スモーカーさんは意表を突かれたような顔をする。いや、だってそりゃそうだろう。この人、自分が喫煙者っていう最重要事項を忘れてるんじゃないか?

「そもそもお互い、一番肝心なところで合いませんし。スモーカーさんは愛煙家、わたしは嫌煙家、相入れないことなんて初対面の時から分かりきってたじゃないですか。なにを今更」

とはいえ、出ていきたいと考えていたのはおつるさんに弟子入りしてスモーカーさん生活改善の覚悟を決める前までの話だけどさ。今でも副流煙云々に思うことがないと言ったら嘘になるが、このわりかし居心地のいい家をわざわざ自分から投げ打とうとは思わない。当面の目標は快適な環境作りだ。
 それに、スモーカーさんの言う「ここ」がマリンフォードを指しているとしても、まあ話は同じだろう。センゴクさんご指名によりわたしの身元を預かってるのはスモーカーさんな訳だし、わたしが海軍に保護してもらっている以上、この家に住むのは必然だ。となれば出ていきたい理由はやはり喫煙関係になる。ほんと、これさえなければなあ。


 わたしの通常運転ぶりに、スモーカーさんは一瞬毒気を抜かれたように口を閉ざした。が、再び問いかけてきた彼の声は、依然として緊張したままだ。

「おれのこたァいい、だが……赤犬とも話しただろう。お前が海軍に固執する理由は何なんだ」
「固執しているつもりはありませんけど、言うなれば安全が保障されるから、ですかね。そもそもスモーカーさんだって、そういう話だからわたしをここに連れてきたんじゃないですか」
「そいつは否定しねェが、それだけが赤犬に命を賭けるほどの理由なのか? だとしたら賢いやり方じゃねェだろう。生存願望の強いお前らしくもねェ」
「……それは」

あまり触れたくない内容に口ごもる。おそらく、スモーカーさんが聞き出そうとしているのは、サカズキさんには言わなかったもう一つの理由の方だ。

 それは、ある日突然この世界にやってきてしまった、その寄る辺のない頼りなさからくるわたしの不安。確かめようもない自分のルーツ。唯一わたしを見留めてくれる人たちに、縋ってしまっている部分があること。
 でも、言ったところで意味のない話だ。こんなのは漠然とした、記憶が飛んでいるせいでわたしにとっても不確かな感覚だし、それこそ信じてもらえるかもわからないような突飛な話になってくる。スモーカーさんを信用していないわけではないけど、でもなんとなく、この人には言いたくなかった。言えなかった。一度口にしてしまうと、何かが堰を切ってしまう気がして――

「ナマエ。お前は、何を隠してんだ」

鋭い指摘に、思わずどきりとした。黙秘も、なんの話だとしらばっくれることもできそうにない。スモーカーさんは、今まで言及しなかったそのことを、今回こそは有耶無耶にする気がないようだった。

 どうしよう、ほんとうに、困る。この人に話してしまえば、よくないことを思い出すような、確信めいた予感がある。そうなればきっと、わたしは自分の足で立てなくなってしまう。それは、嫌だ。縋るなんて図々しいことは、出来ない。


「――怖いんです」


 けれど、口は勝手に動いていた。どうしたら話さずに済むかと頭では算段を練っているのに、彼のまっすぐに向けられた視線に促されるように、震える口は言葉を紡いでいく。

「確証のないこの世界が、わたしの頭の中にしかない自分の過去が、確かめるすべもない事実が、怖い」

 考えてしまうことがある。いくら頭の中にあろうと、この世界におけるわたしの過去は、存在しないのと同義ではないか、と。異世界からやってきた、なんて非現実的な状況の上に立つわたし。その存在を証明できるのは、わたしの記憶と、今わたしを知っている、彼らだけなのだと。

「不確かな足元にぞっとします。この世界でわたしの名前を呼んでくれる人は、あなたたちしか居ないんです。ときどきふと、思います。これはわたしの見てる幻で、ほんとは何もかも、嘘なんじゃないかと」

 筋立ても、なにもありはしない吐露。切羽詰まったわたしの口振りに、スモーカーさんの目に焦ったような色が浮かぶのを、ぼんやりと眺めていた。わたしを呼び止める彼の声が、遠すぎて聞こえない。

「わたしにとっては、ここに居ることそのものが有り得ない話なんです。この場所で、呼吸している事実、それ自体が。だって、わたしは本来なら、あの、ときに――」

 あのとき、


「――あ」


 フラッシュバックする光景に脳が揺れた。

 何度も夢で見たような、思い出したくもないあの景色。首に掛けられた生白い枷。視界を埋める水あぶく。ねとりと肌を撫ぜる死の温度。きらきら揺れる水面と、喉を焼く潮の味。雨音に似た雑音が、耳元で弾けている。ざあざあと、弾けている。

 夜の黒に目を閉じて、昼の青に目を覚ました。

 息ができない。

 死にたくない、と思った。




「ナマエ!」

 鋭いスモーカーさんの声に、ぱちんと焦点が噛み合った。ほんの一瞬、幻覚を見たらしい。
 目眩のする頭を上げれば、そこには暗がりの中、厳しい表情をしたスモーカーさんが立っている。気づけば悪夢の幻は跡形もなく消え失せていたけれど、浮き足立った意識はまだまともに働いてくれなかった。

 乾いた瞳でスモーカーさんを見つめ返す。刹那、彼の表情が、見覚えのないかたちに歪んだような気がした。

「……え」

 次の瞬間、いきなり、スモーカーさんの手がするり、と伸ばされた。わたしの冷や汗の伝う頬に、革の硬い感触が触れる。

「なに、を」

掠れた声と共に後ずさるも、案の定この人から逃げられた試しはない。掴まれた腕ごとぐいっと目一杯引き寄せられ、訳も分からぬまま頬から耳を通り抜けた手に後頭部を覆われ、不可抗力で体ごと彼の方に倒れ込み――そして。



「――へ、……?」


 な……、なにが起こってるんだ。どうしてわたしは、スモーカーさんの腕の中にいるんだろう。

 わたしの二の腕を掴むスモーカーさんの力は痛いくらいで、思わず取り落としたおたまが玄関の床に落ちて甲高く反響する。スモーカーさんの体越しに、ドアの閉まる音がバタンと聞こえた。そんなはずはないのに、まるでふわりと煙に包まれるような心地がする。頭痛がしそうなくらい強烈な芳香剤と葉巻の匂いに、現実に引き戻されるような気がした。

 掴まれた腕も、後頭部を抑える手も、彼の首筋に押し付けられたおでこも、手加減を忘れられたかのように強くて痛い。なんだというんだ、こんな展開は予想外で、どうしたらいいのか……。わかることは、スモーカーさんの体温がびっくりするくらい熱くて、自分の脈拍はばかみたいに上がっていることだけだ。

 息苦しさと痛みを訴えるように、わたしは自由な方の腕でスモーカーさんの体を押し返す。が案の定、びくともしない。今更この状況がものすごく恥ずかしくなってきて、わたしの耳にぶわりと熱が篭った。

「あの、スモーカーさん、ちょっと……」
「――……ナマエ」
「っ、あ、はい」

今まで聞いたこともないような妙な声でスモーカーさんがわたしの名前を呼ぶもんだから、離してくださいともがいた言葉を飲み込んで、とっさに返事を返してしまった。それに呼応するようにますます力の篭った指先が、わたしの髪をぐしゃりと無造作に掻き撫ぜていく。

「……お前がなんだって構わねェんだ。思い出したくもねェことを、わざわざ口にしなくていい。だが結局……何がお前の為になるのか分からねェ。おれは、ただ……」

ほとんど聞き取れない微かな声で、スモーカーさんは独り言のように口走った。彼が何を言わんとしているかはやはり分からなくて、だけどどうやら心配されているらしいことは、なんとなく伝わる。だけど、わたしの身に覚えはない。だとすると本部で、一体何があったのだろう――。



 言葉を切ったあと、スモーカーさんは気を立て直そうとするみたいに自嘲的なため息を長々と吐き出した。ふとわたしを締め付けていた腕の力が緩んだのにほっとする。冗談抜きで、下手すれば締め殺されるんじゃないかと思った。

「――すまねェ」

 仕切り直すみたいにスモーカーさんは嘯いた。頭上から降り落ちてきた言葉は、この人の口からはついぞ飛び出して来ない、わたしが求めていたはずの謝罪の一言。確かに、謝って欲しいとは思っていたけど、しかしこれは……。

「スモーカーさん、それ……何を謝ってるんですか」

 問いかけつつ体をひねり、掴まれていない方の腕でわたしの頭を抑えていた彼の袖を引くと、その手のひらは今までの圧力が嘘のようにあっさりと解けていく。そうして見上げた先のスモーカーさんはもう、見慣れたあの皮肉げな表情を取り戻していた。

「さァな……。諸々含めて、じゃねェか」
「それ、今朝の件含んでます?」
「……。まァ、それも反省点ではある。確かに今朝は調子に乗った。……悪かったな」
「素直なスモーカーさんて不気味ですね。明日は槍でも降るんじゃないですか」
「ったく、減らねェ口だな」

呆れ顔のスモーカーさんに、お互い様だ、と目を細めた。……よかった、もういつも通りの会話だ。
 わたしは彼の腕から離れ、落っこちてしまったおたまをやれやれと拾い上げた。ずき、と腕に痛みが走る。さっき、掴まれて赤くなった肌がなんだか妙に耐え難くて、身を起こしたわたしは意味もなくその手を背中に回していた。

「まあ、それならいいんです。なんというか、もうスモーカーさんが色々訳わからなすぎてどうでもよくなってきました」
「そいつは結構じゃねェか」
「反省はしてくださいよ。おかげで匂い移りが過去最高にやばいんですから。全くもう、こんなんじゃ夕飯もろくに食べれないです」
「元を辿ればお前の仕業だろう。おかげでおれも今日一日葉巻が不味かったんだ」

 それはそれは、反撃のしがいもあったというものである。そのままいっそ吸わなくなってしまえば良かったのに、という苦言を呈したいのは山々とはいえ、なにはともあれ。

「まあ、いつまでもこんなとこに居たって仕方ないですし、ひとまずスモーカーさんはお風呂に直行してください。わたしも次入るのでさっさとお願いします」
「……あァ」
「そしたらそのあと、ご飯にしましょう」

 スモーカーさんの同意を確認してから、わたしはエプロンの裾を揺らし、明るいリビングへと踵を返した。なんでか妙に長話になってしまったし、こんだけ経てばきっと夕飯も冷えてしまった頃合だろう。まだ器には盛っていないから問題はないけど、汁物なんかは温め直しておかないと。

 しかし結局、なんだったんだろう。わたしがパニックを起こしたせいでうやむやになってしまったけど、スモーカーさんは本当のところ、なにが言いたかったのか。わたしもなんか変なこと口走った気がするし、全く今日は散々だ。とはいえ彼が言わないことにしたのなら、しつこく食い下がるわけにもいくまいと、わたしはもやもやした内心を押し殺した。



「――腕。悪かった」

 廊下を行くわたしに、ふと背中から聞こえてきた三度目の謝罪。……さっき、隠したのがバレたらしい。気まずい心地を覚えつつ、わたしは気にしないでください、と口にして、折り上げた袖を引っ張るのだった。

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