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「ヤベー、こういうヤツだと分かってたはずなのに…」

日向先輩が泣きながら必死に食べ始める。
そんな中、伊月先輩が、

「このステーキ…ステキ」

と美そっと呟いていた。
しかし、日向先輩がすぐさま迩怒鳴りつける。

「ゴメン、そーゆーの今マジでウザイ!!」
「……」
「水戸部おきろー!!」

フラッと倒れる水戸部先輩に小金井先輩が元気付ける(この状況で元気付けるといっていいのかわからないが)。
そして、テツヤくんがそんな中で発言をした。

「…すいません。キブです」
「黒子ォォ――!!」

五分の一食べてればいいほう、とだけ伝えておきましょう。
というか、味のほうは私も少し気になる。

『テツヤくん。それ私にも少し食べさせて』
「…いいですよ、じゃあ、切り分けますね」
『?いいよ、一口ほしいだけだから』
「いえ、遠慮しないで下さい!」
『……いやな予感しかしない』
「では、どうぞ」

そう言って、私の目の前にはテツヤくんが食べられなかった分の半分くらいが別皿に取り分けられた状態で差し出された。

『(……これを、私に全て食べろと……?)』

無理難題を押し付けられて泣きそうになる。

『(本当に一口でよかったんだけど)』

泣きながら、私はお肉を切り分けていく。
そして、一口食べた。

『(あ、やっぱりおいしい)』

味はやはりおいしかった。けれど、これを食べ続けることはさすがに出来そうにない。
私は切り分けた小さなお肉をフォークに刺したままテツヤくんの口元に持っていく。

『はい、テツヤくん、あーん』
「……!?」

一瞬にして誠凛メンバーの騒ぎがなくなった。

『はい、テツヤ君、口開けて?あーん』
「結衣さん、それは、ずるい、です!!」
『私にこんなにもお肉を押し付けたのはテツヤ君でしょ?私一口でいいって言ったのに。だから、私のお皿に切り分けられた分は全力で食べてもらいます。はい、あーん』
「……浅はかだった」

そんな私たちの会話を聞いて、もちろん先輩たちはテツヤ君に同情したと思う。
私もさすがにやりすぎだとわかっているけれど、ここは少しでも減らすことを最優先に考えるべきである。
考えた結果、押し付ける立ったわけだけど……。

しかし、そんな中でも火神君は強かった。

「うめー、つか、おかわりありかな?」

もきゅもきゅと食べている火神君に気付いて、皆が注目する。

「あれ?いらないんだったらもらっていい?ですか?」

口いっぱいにお肉をつめながら火神君は皆に向かってそんなことを聞いていた。

『……リスみたいで…、ちょっと可愛いから写メ撮らせて』

そう言って、私はすぐさまスマホを取り出し、シャッターを押した。しばらくこれを待ち受け画面にしよう。


気付くと、テツヤ君が気付かれなうようにい店の外に出て行く。私もそれに習って、テツヤ君を追いかけて外に出た。

『テツヤ君』
「結衣さん」
『大丈夫?おなか』
「苦しいです。……!」

何かに気付いたような表情をして、私もそちらを見てみる。
無効からは金髪長身の美青年がこちらに向かって歩いてきていた。

「黄瀬君…」
「…黒子っち、それに結衣っちも」
『あ、黄瀬君』
「…ちょうど良かった。ちょっと…話さねぇスか?二人とも」


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