「ククク…夢をかなえてやることの何がいけないんだ?」
「死者に合わせるのは御法度のはずだぜ」
「おやおや、可哀相なこの子らを救ってやりたいとは思わんのかね?」
「じゃあ聞くが――その救い方に神の愛はあるのか?」
フラウさんとご老人が向かい合って話している。
私は、ただ呆然と自分の居た場所で座り込んでいるだけだ。
足がすくんで動かない。
胸元が熱い。
「なあ、
ただひたすらなる祈りの果てに孤高の夢を見る――…。
話に、ついていけなかった。
それは、私がこの世界では不要な人間だから?
それとも、この状況は私だけではないの?
目の前には、ご老人がいたはずなのに、その老人は今、骨だけで組み立てられた羽のようなものを背中からはやしている。
こんなものを見て、私は大丈夫なのだろうか。
ああ、ついにこの体質が裏目に出てしまった。
見たくないものまで見せられるのは相当に気分が悪いというのに…。
神様は、どうしてこんな事をしてくれるのだろう………。
「ククク…その子は帝国軍の罪人じゃないか。じきに追っ手が来るだろう。どうだ、子供らよ。ワシに願うことはないか?」
……どうして私まで言われているのだろう。
それとも――願えば、かなうのだろうか…?
私の、このおおそれた願いが――……。
「教会には〈サンクチュアリ〉の掟が存在するんだよ。お前こそ、そんな願いをかなえていいのか?」
いいながら、フラウさんは右手を上げる。
右手がびくん、と痙攣した。
……な、なんかメキミシ言っているような気が…するんだけど、な…?
私の気のせい?
気のせいなの?
「お前にその子の価値など分かるまい。つれて帰れば、我が主はきっとお喜びうになられるはず…!!」
…はずなんだ、と言う突っ込みはしてはいけない。
我慢だ私。
耐えろ、耐えるんだ…!!
なんて自分に言い聞かせていると、フラウさんの腕からありえないものが飛び出してきた。
あ、あ、アレは……!?
「こいつらはやれねぇ。それより、こいつを持っていったほうが主は喜ぶんじゃねぇか?」
きっと私とテイト君は同じことを思ったと思う。
――なんじゃアレ――――!!
ありえないし!!っていうか、認めないし!
「なっ、まさかその鎌はあのお方のっ!?」
め、メキメキ言ってる!!
痛そうなんだけど!
「何故貴様がその鎌をおおおおお!!」
ご老人がそう叫んだとほぼ同時に闇の塊のような細長いものが攻撃をけしかけてきた。
ありえないから!!
私、か弱き乙女です――!!
って言うか、此処の世界の住人じゃないのに、何故私まで狙われているの!?
い、意味が分からないよ!
私はとりあえず、ぴょんっ、飛んでそれをよりすごす。
幸い私のほうにはあまり来なかったから一回飛び上がっただけでまぬかれた。
良かった良かった…。
テイト君はあの文字みたいな物を出して攻撃をしようとしていた。
すると、フラウさんがテイト君に忠告をする。
「闇に攻撃しても無駄だぜ!」
その言葉を聞くと同時に、テイト君は私の元へと一瞬で駆け寄り、私を守るように庇う。
が、一瞬で私の元へと来たのはテイト君だけではなかった。
フラウさんの腕から、ぽんっ、とかわいらしい音がしたかと思うと、巨大な鎌が、私たちのほうへときて、がっと、私のすぐ真横の壁に突き刺さった。
『な、な、な…っ、何ですかこれ―――っ!!』
「なんじゃこりゃ―――――!!!」
「あ?」
「その子達を狙ってどーすんですか!!」
フラウさんのぽかんとした表情にカストルさんの怒鳴り声。
私の理解の範疇を超えるようなことをしないでいただきたいです…!!
そのあいだに、ご老人が軽く舌打ちをしながら逃亡を試みる。
しかし、それはカストルさんとフラウさんに阻まれていた。
「御老体に手をかけるのは心苦しいですが、その御霊、返していただきます」
「!!」
なんだかあっちはあっちで話しが進んでいるけれど、私たちのほうも助けて欲しいものだ。
テイト君が私の身体を抱えながら、鎌を持って叫ぶ。
「これどうすんだよっ!!」
……大変ごもっともでございます。
と思っていると、いきなりすぽんっ、と鎌が抜けて、私たちは窓の外に放り投げられた。
『え!?ちょっと、ま……っ!』
「うわぁ!?」
思わず二人して悲鳴を上げた。
鎌につかまったままの私たちはそのまま落下し、そしてフラウさんの手で鎌を受け止めてもらった。
その間に私はカストルさんに助けてもらっていた。
「貴様に神のご加護を」
攻撃を仕掛けるフラウさんだったが、ご老人がその攻撃を防ぐ。
その間に、フラウさんがテイト君を投げ捨てて、テイト君はラブラドールさんにキャッチされた。
瞬間に、カストルさんがなにかに気付いたようにはっとする。
『カストル、さん…?』
不思議に思ったと同時に、激しい頭痛に襲われる。
ご老体の身体から、何がどす黒いものが出てきた。
「この魂はもらうぞ」
瞬間に、私の頭上でカストルさんが呟く。
「逃がしませんよ」
『…っ!!』
何で、手から…糸が…!?
あまりの驚きで声もでない。
それらがご老人の体を絡めとり、足を止めさせる。
「人間ごときにこのワシがああああっ!!」
そう叫んだご老人の身体から、ずるりとなにかが引きずり出され、私の頭痛がさらに酷くなる。
『…っ、……っっ!!』
痛みに顔を顰めていると、響くような声が聞こえてくる。
「だが、その鎌が生きてるならば、あのお方も生きていらっしゃるのだ!!忘れるな、小僧…!!」
そういった瞬間に、フラウさんが鎌を振り落とし、ご老人の身体から引きずり出された『それ』をたた切った。
呆然としていると、カストルさんとラブラドールさんがご老人に近づき、声をかける。
私のそばにはいつの間にかテイト君とフラウさんが立っていた。
テイト君も呆然としていた。
私には分からない事でも、彼なら判るかもしれないと思ったがそうでもないらしい。
どうも、この光景は異常らしかった。
しばらくテイト君の横顔を見ていると、めきめきと言う音が聞こえてきた。
「なんだテメ――、今日は偉く反抗的だな。大人しく入れ!」
『……!?』
「入んのそれ!?」
テイト君、それ私も思った!
入れ終わったフラウさんが小さく溜息をつくのと同時に、テイト君が駆け寄ってフラウさんに問い詰める。
「お前…、その手痛くないのかっ?」
テイト君のその言葉よりも、フラウさんはちがう疑問のほうがあるらしい。
「お前…怖くないのか?」
「?なんで?」
分からないといった表情のテイト君に、フラウさんは軽く感心している。
すると、フラウさんがひょいとテイト君を担ぎ上げた。
…アレ、結構腕力いるような気がするけど、それだけの腕力はあるってことだよね…。
なんか、いろいろな意味ですごいなぁ…。
……あ。
『頭痛も、なくなってる……?』
先ほどまでの痛みはなんだったのだろう。
まだ痛みの余韻で足音がふらつくけれど、何とか立てないこともない。
私は、そのまま部屋に戻っていっく――はずだったのに……。
「お前も!何逃げようとしてんだ!こっちに来い!」
『うわっ!?』
「おら、行くぞ!」
『フ、フラウさん!話してくださいよ!』
「んなことするわけねぇだろ。おら、歩け!」
言われて、私は引きずられるようにどこかの部屋に入れられて、ベッドに放り投げられた。
『…っ、!』
「まずはテイト、お前からだ」
そういって、フラウさんは私が逃げないように威嚇しつつ、手袋を外してテイト君にその手を伸ばした。
「服を脱ぎな。その印、取ってやる」
―――――
―――
―
教会に来て、三日目の朝が来た。
昨日の出来事は鮮明に頭に残っていて、なかなか離れていってくれない。
なんだったのだろう。
考えても、私の分かる事ではない。
私は、本当にここにいてもいいのだろうか。
といっても、ここ以外にいるところがあるのかと問われれば、ないと応えるしか私にはできない。
それでも、疑問は常に頭の片隅に住み着いている。
私は、ここにいてもいいのだろうか――と。
そのとき、突然肩を叩かれ、私は驚いて飛び上がった。
「あ、悪い。お前、ちょっと一緒に来てくれよ。カストルさんが呼んでる」
『あ、う…ん。分かった』
とりあえずテイト君の言葉に頷いて、私は立ち上がってテイト君の後ろをついていった。
「……なあ、どうして、一緒にいてくれようとしない?」
『…?』
「なんで距離をとる?オレ達は……オレは、そんなにも信頼ならないの?」
『…テイト君、そうじゃ…ないよ…』
「じゃあ何で?」
『ただね、怖いだけなの…。私には、勇気がないの』
「勇気…?」
『うん。怖いだけ。だから、私の名前もいえないし、呼んでもらうのも、怖くてできない…』
「何で?」
『もし私が、この世界の住人じゃない…って、言ったら――あなたはどうする?』
「……?」
『……なんてね。冗談よ。さて、カストルさんのところだったよね?行こう』
私は無理矢理会話を切って、私はテイト君の背中を押す。
そしてそのまま中庭へとすべり出た。
――〈テイト〉――
彼女は、とても不思議だった。
オレよりもこの世界を知らないようなその行動に、思わず眉を顰めてしまいたくなるほどだった。
といっても、オレ自身も世の中のことは分かっていないから、人のことは言えない。
名前を教えてもくれない彼女は、とても不思議な少女だった。
「あらテイトさん、おはようございます。上着、つくろっておきましたわ」
「こちらは洗濯してよろしいかしら?」
シスターの人たちが気軽に声をかけてくれて、オレも笑顔で言葉を返す。
「あ、おはよ……」
『おはようございます』
オレの隣で深く頭を下げる彼女。
と、それよりも……。
「じじじ、自分で洗うから――!!」
「あら?」
『?どうかしたの?』
「なんでもない、なんでもない!!」
慌ててそういって、オレは走り出す。
が、目の前に障害物があった。
「ぶっ!?」
『あ、フラウさん……』
「おっと悪ぃ。小さくて見えなかったぜ」
『……それって失礼なんじゃ…?』
「そうだよな!」
オレを庇ってくれた彼女に思わず同意をしてしまった。
「うふふ、テイトさんたら、パンツくらい構いませんわ」
「あ、それオレのパンツ、ついでに洗って」
「きゃあ――!!パンツは自分で洗うのが規則ですわ!!」
ならなんでオレのは洗ってくれようとするのだろう…という疑問が頭によぎったが、気にしないで置こう。
っていうか、シスター達のフラウに対する態度がとてつもなく他の司教たちに対する態度とちがう。
差別とまではいかないが、なんだかとてつもなく冷たいような気がする。
というか、それだけでこいつが今までどんな態度で過ごしてきたのかがよく分かる。
手を差し伸べるまで来ない。
などと思っていると――。
「お前のパンツなんかこうしてやる――!」
「ぎゃ――!!それが大人のすることか!?」
投げられたパンツを取り、下を見たらそこには水が流れている。
そして、その水の中に何かがいるのを、俺は見た。
ばしゃ――ん!
と見事に水の中に飛び込んでしまい、ぶくぶくと沈んでいと、そこには自分と同じ顔の何かが、いた。
「ドッペルゲンガー!!」
『うわっ!テイト君が二人いる!』
そこは突っ込むところなのだろうか。
そこへカストルさんが来て、オレの顔をしたそれを引き剥がしてくれた。
――〈テイトEND〉――
「この子はラゼット。この教会のオルガニストです。顔を自在に変えられる〈ノエルの人魚〉なのですよ」
『人魚……!』
思わず感動してラゼットを見る。
近づきたいけど、怖がられたら嫌だ。
うずうずとしていると、ラゼットがぺたぺたとよってきてくれて、私にぺたぺたと障ってきてくれた。
可愛くて、私も恐る恐るラゼットをぺたぺたと障る。
『か、可愛い……』
ラゼットは、声が出ないのか、言葉を話さない。
それでも、心が癒されていく。
人魚なんて、私のいる世界では夢の話だったけれど、こういった世界では、事実存在するらしい。
本当に愛らしい……!
『ラ、ラゼット……?』
名前を呼ぶと、嬉しそうに私に抱きついてきてくれた。
『きゃあ――っ!!可愛い!ラゼット大好き!!』
思わず叫んでしまうと、周りが驚いたような表情をしたが、私はラゼットに夢中だ。
この世界に来て、胸に沈んでいたもろもろのものが、ことりと落ちていく感覚になった。
『ラゼット!私、あなたとお友達になりたいわ!いいかしら?あ、カストルさん、私このことお友達になれるのかしら?』
「え、ええ。全然大丈夫ですよ」
『ありがとうございます!ラゼット、私とお友達になってくれる?』
そう聞くと、ラゼットも私に抱きついてきてくれた。
それだけで、嬉しい気持ちになる。
『ありがとう!』
笑顔がこぼれるのは、久しぶりだった。
『…あ』
私は、ラゼットを抱きしめていると、目の前に、昨夜のご老人がいることに気付いた。
小さな子に抱きつかれて、息子夫婦なのか娘夫婦なのかの成人の男女がいる。
その人たちは教会の方々に深く頭を垂れて礼をし、そのまま教会からさっていった。
その光景が、すこしうらやましかった。
でも……。
『(でも、元気になってよかった……一人は、寂しいもんね)』
胸中で、ご老人に言葉を述べて、私はラゼットにきつく抱きついた。
頭上で、カストルさんが言葉を言う。
「人は、天界の長から命を与えられるとき、こう問われるそうです。
――「お前に人間の生を与えるからには、生きている間、三つの夢を許してやろう。
己の人生をかけた夢を三つ、答えるがいい」
と。そして天界の長と約束した全ての夢を叶えると、その魂は再び長の御許に呼ばれると信じられています」
…やっぱり、宗教的な違いを感じた。
カストルさんが、私とラゼット、テイト君に近づく。
「もちろん、人が生まれるとき、長と約束した夢は覚えてません。それを探すのも人生の楽しみであり、喜びでもあるのでしょう」
すい、とカストルさんが、棒状のものを差し出してくる。
ラゼットはそれに喜んで飛びつき、もちゅもちゅと食べ始めた。
カストルさんはそれは飴ですよと教えてくれて、私たちにも差し出す。
私はそれを、ありがたく受け取った。
「ところが、それを邪魔する悪いコがいるんです。昨夜、君達が遭遇した使い魔は、その夢を奪い、人間を闇に引きずりこむのを生業とします」
『夢…?』
「夢を食われるの?」
「…うーん、そうですねぇ」
考え込むようにしているカストルさんは、おそらく分かりやすく説明しようとしてくれている。
「まず、一つ目の夢を使い魔にかなえられると、何をしても満たされなくなってしまうのです。
二つ目の夢を叶えると、飢渇状態になります。一種の中毒状態ですね。
そして三つ目の願いをかなえてしまうと、闇におぼれた魂は、永遠に長の御許へいくことができません。
使い魔はその体を媒体とし、仲間を増やして
…全く話についていけなくなった。
私はとりあえず、カストルさんにいただいた飴をもくもくと無くしていく事にした。
「使い魔から人々を守るのが我々の役目。しかし同じことを繰り返すと、中毒症状が消えないため、更正センターでがんばる方もいらっしゃいます」
そんなセンターもある。
私の世界で言うと、麻薬と同じ事なのだろう。
ただそれが、生きているか、ただのものであるかの違いだ。
私の考えは誰にも分からない。
テイト君はそれよりも気になることがあるらしく、カストルさんに迫る。
「あの、あなた達の能力って……」
テイトくんの質問に、カストルさんは微笑みながらかがみこむ。
私にも聞こえる程度の声の大きさで、釘を刺した。
「昨夜のことはどうぞ内密にお願いしますね」
知られたくないことだから、そんな言葉が後につくような声だった。
私は、すこし驚いてカストルさんを見て、ふいと顔を逸らす。
カストルさんはやっぱり微笑んで、テイト君に声をかける。
「そうそう、キミはミカゲ君のところに行きたいのでは?」
そう聞けば、テイト君が頷く事を知っているのに、カストルさんは聞いている。
何故、テイト君を遠ざける必要があるのだろう。
私は、すこしカストルさんを見て、そのままテイト君についていった。
「…、そういえば、テイト君…と、もう一方。君達の夢は?」
『…夢……?』
「…夢?」
カストルさんの微笑みに、フラウさんの微笑み。
そのおくには何があるのか、私にはよく分からない。
そのあとに、テイト君はその言葉を考えながら、ミカゲ君のいる部屋に向かっていったのだった。
私も、その後についていった。
―――――
―――
―
「テイト君たちは、神父にあったことを忘れているようですね」
「まあな。俺が切っちまったし。もしあいつが使者に触れていたら、また人生のやり直しだ」
天界の長は、『均衡』が破れる事を何よりも厭う。
人間だけでなく、使い魔も処分されるはずだ。
古来より、完璧で美しい魂を手に入れるのに、神と約束した三つの夢以外をかなえることは、皆無とまで言われている使い魔がそこまでするとは――…。
そうまでして手に入れたい『何か』が、あの子らにあるのだろうか――…?
そのとき、シスターが自分達を呼びに来る。
「司教様。ミサの準備が整いました」
「おう」
「…テイト君たちの事ですが、――食べちゃダメですよ」
「誰があんなガキ達を食うか!!」
―
―――
―――――
−バルスブルグ帝国−
「うーん」
「どうしたんです、ヒュウガ少佐」
珍しくヒュウガが悩み声を上げているのに気付き、コナツが声をかける。
ヒュウガは、大陸地図を眺めて首を傾げていた。
「ん―――…」
ヒュウガは地図を見上げながら、自分の考えを呟いていく。
「普通はね、全区間とも身分証明がないと通れないだろ。それに犯罪者が逃亡すると区境では、ホークザイルの飛行限界5000メートルまで帝国警備隊がシールドを張るから誰一人見逃さないワケ。でも、テイト=クラインと、もう一人の女の子は、誰の目にも触れず第七区逃げ切ったねぇ」
「失態だな」
「はっ、警備隊には徹底した指導を見直させています」
ヒュウガの言葉にアヤナミが答え、それにカツラギが答える。
「…それに、あの日は確か内海に『ウェンディ』が迷い込んだという報告があったよ。ホークザイルどころか、軍の第一級空挺ですら破壊するモンスターだよね。まさかそこを通ったとでも?僕の可愛い彼女を連れて?」
ハルセの肩に肩車してもらっているクロユリが、そういう。
しかし、その言葉に返す声はひと声もない。
アヤナミガ声を発した。
「ふむ。なかなか骨のある少年じゃないか。一人の少女を守りつつ、そこを突破するとは」
ヒュウガが口を挟む。
「それで、どーするのアヤたん」
「案ずるな」
ヒュウガの言葉に、アヤナミが淡々と返す。
「すでに、手は打ってある」
To be continued