TOS-SS集 | ナノ
1111*下ネタ注意


*この話のユアンは■港人です注意。
**ポッキー注意
***下品注意


 ──十一月十二日。

「今戻った」
「む。遅かったな、クラトス」
「ああ、ついでに買い物を済ませてきた」
「それでか、いつもより随分遅かったのは」
「連絡を入れておくべきだったな。ああ、ユアン」
「なんだ?」
「ポッキーを買ってきたのだが、いるか?」
「ポッ──!?」
「安くなっていたから買ってきたのだ」
「ばっ! や、安くなっていたからといって買ってくるな、そんなものを!」
「嫌いだったか、ポッキー」
「ポッキーポッキー連呼するなっ。嫌いだったのかではない。お前、そもそも男で好きな奴も珍しいだろう!」
「そうか。私は嫌いではないがな」
「おまっ。いや、まあそのお前は、だな。いや、だからといって買うなっ。間に合っているだろう!」
「間に合ってはないだろう」
「間に合ってないのか、おい。間に合ってないのか!?」
「最近は色々な種類が出ているのだな、取りあえず一つずつ全種類買ってきてみたのだが」
「全部? 買ったのか!? そんなにどうするのだ」
「どうとは? どうもこうもないだろう」
「お、おまっ」
「つぶつぶのやつは知っていたのだが、極細は初めて見たな」
「つぶつぶ!? い、疣のついているやつか。お前そんなものまで」
「疣? ああ、まあそうだな。あとはピンクのやつとかだな」
「ピ、ピンク……」
「好きかと思ったのだが」
「何故そうなる。そういうのは、あれだ。私が好きかというよりもお前が好むかどうか、だろう……」
「私か? 私は好きだが、普通のポッキーの方が好ましいな」
「そ、そうか。普通か」
「ああ。まあそれで、ポッキーの日一日遅れだが──」
「おい待て! 確かに乱立してはいるが、何なのだその卑猥な記念日は!」
「卑猥ではないだろう。ポッキーの何が卑猥だというのだ」
「だからその単語を連呼するのではない!」
「ポッキーをポッキーと呼んで何が悪いのだユアン。私はただ、その。お前とポッキーゲームを、だな」
「ポッ、キーゲーム、だと……」
「ああ、その。年甲斐もなく、と。お前はいうかもしれないが」
「年甲斐もなく? いや、お前それは寧ろ大人しか駄目だろう。というか昼間からする話でもないだろう」
「今は夕方だ、ユアン。私は青少年が精々だと思っていたのだがな」
「青少年は駄目だろう。いや、どんなアレかは知らんが。駄目だろう、名前的に」
「ポッキーゲームがか? 駄目ではないだろう。どちらかと言えば青春時代というか甘酸っぱい何かというか」
「甘酸っぱい? 甘酸っぱい!? 甘酸っぱい通り越して爛れているだろう! 寧ろ爛熟して手が付けれないことになっているではないか! 名前的に!」
「ユアンお前、ポッキーの何が駄目なのだ」
「だからポッキー言うな! 青少年の時代から、その、ポ、ポッキーゲームだと! 爛れすぎだ馬鹿者!」
「お前が潔癖すぎるのではないか?」
「だれが潔癖だ!」
「潔癖だろう、そもそも先程どんなゲームかも知らないと言っていたではないか。食わず嫌いみたいなものだぞ、ユアン」
「食ってたまるか、そんなもの!」
「……」
「……」
「……」
「う、あ。いや、そのだな。待て、クラトス。解った。いや、具体的にどんな、なにを、あれだ」
「……ポッキーゲーム、というのはだな」
「あ、ああ」
「まず、ポッキーの両端を咥える」
「両端? 両端だと!?」
「そうだ、両端だ」
「お、おまえそれは、ポッキーゲーム用に買ってきたのか。そのなにをだ」
「お前が明確に何を指しているのかは解りかねるが、買ってきた」
「かっ……! かっ! ──っそう、か」
「……顔色が悪いぞ、ユアン」
「……大丈夫だ」
「それならば説明を続けるが?」
「……ああ」
「それでだ。両端からポッキーを食べすすめていってだな、最終的に最後の一口を食べた方の勝ちだ」
「……」
「普通のポッキーとジャンボサイズポッキーがあるが、どっちにする?」
「ジャンボサイズなど入るか!」
「そうか、では普通のポッキーにしておくか」
「ま、待て! そもそも私はポッキーゲームをするとはだな! やめろエコバックを探るな!」
「……しないのか」
「せん! せんぞ! むしろ極当たり前のように言うお前の方がどうかしている! お前、今までもそんな、してきたのか!」
「いや、流石に初めてだな。其処まで古い歴史のある遊びではないらしい」
「そんな猥褻な年間行事あってたまるか!」
「……そうか。まあいい。お前が嫌なのならば仕方あるまい。このポッキーは私が頂くとしよう」
「なっ! お、おい待て! お前それをどうするのだ!」
「食べる気だが、どうした?」
「食べっ……。お前、一人でする気か?」
「する? ポッキーゲームは一人では出来ないからな、するもなにもないだろう」
「買ってきたものはどうするのかと聞いているのだ」
「どう、流石に一人では処理しきれないからな。幾つかは人にやろうかと思っている」
「やるな、そんなものを!」
「流石に買いすぎたと反省はしている。だが、……妙に突っかかるな、ユアン。どうしたのだ」
「どうしたではない、むしろお前がどうしたのだ! 欲求不満か! マンネリ化か! そういえば間に合っていないといったな! そうか、ならば今からでも相手をして貰おうではないか!」
「何の話だ、ユアン」
「何の話だと!? 貴様から持ち出した話ではないか!」
「落ち着けユアン。取りあえず買ってきたものを仕舞わせろ」
「……私が仕舞う、かせ」
「では頼む」
「……ポッキーは全廃棄だ」
「……何故そこまでポッキーを目の敵にするのだ、ユアン。今時トッポ派でもそこまで言わんぞ」
「どうして此処でチョコレート菓子の商品名が出てくる」
「……」
「……」

※※「ポッキー」の和製の欧字綴りである「Pocky」は英語では「痘痕(あばた)のある」を意味する語や男性器の隠語と同綴異義語の関係になってしまうため、ヨーロッパではこれを避け、「Mikado」という名前での販売となっている。(Wikipedia「ポッキー」世界での商品展開より)

「なっ、ばっ!これは、Mikadoではないかあああああああああああ!!」
「お前が勝手に勘違いをしたのだろう、ユアン」
「チョコレート菓子ならばそうだと早く言え、恥ずかしい!」
「……恥ずかしいのはお前だ」


[プリッツはどこへ消えた?]

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後書き
下品で申し訳ありません。
「ポッキ■」を「ちん□」「いち●つ」またはそれに準ずる人工物の名称辺りに読み替えればユアンにどう聞こえていたのかが解ると思います。
この話のユアンが香■人設定なのは■港が嘗て英国領だったからです。
ハッピーポッキー&プリッツの日!


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