見つけたものは眩し過ぎた
【見つけたものは眩し過ぎた】
突き出されたナイフを、騎士は落ち着いた目で見ていた。こちらを睨みつけるハーフエルフの青年の表情からは、一部の冗談も何も、見て取れはしない。
冗談か、などと聞くまでも無かった。
「本気、のようだな」
「無論だ」
ひっそりと漏らしたため息に、片眉を跳ね上げる青年を、片手で押し止めナイフを握る。あっさりとナイフは騎士の手に移ると、騎士はテーブルの上に置かれていた赤い果実を一つ手にとった。
「いいか、ユアン。林檎で兎を作るにはまず──」
やけに真剣な表情で騎士の手元を見詰める青年──ユアンに、騎士は内心もう一度ため息をついて、淡々と説明を続ける。遅くとも十分後には、歪ながらも林檎で出来た兎は、床に伏せっているマーテルの元へ届くことだろう。
何だか妙に眩しいものを見せ付けられているような気分になり、騎士は見様見真似に林檎を切っていく青年の危うい手つきを、目を細めて静かに見詰めていた。
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アトガキ
で、クラトスがぼんやりしている間にユアンは指を切るっていうね。
ユアマー+クラトス。
ミトスはマーテルさんのとこ(多分)
恋に一生懸命な親友を見て、いいなあ、なイメージ。
眩しいなあ、若いなあ、みたいなね。